氏家譲寿(文筆/映画評論家)
我々の中にある思考力と創造力が物語と恐怖を生む。それを改めて実感した。
「これは何だ……?」
そう思った瞬間、自らが生み出す悪夢の災厄に囚われる。逃げ道はないのだ。
大森時生(テレビ東京プロデューサー)
私たちはなにを恐いと思うのだろう。そしてなんでそれを恐いと感じるのか。それらの問いに対する回答はどこまでも個人的なものだ。ただ、「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」はそれに対するひとつのアンサーとなりうる。それもとびきり強烈な。恐怖は、記憶と共鳴する。そしてノスタルジーと接続したとき、それは逃れられないものとなる。「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」は、その不気味さから逃れることを許してくれない。
小野不由美(小説家)
不安で不穏な正統ホラー。しんしんと怖い。監督のホラーに対するストイックな在り方に感服した。
かいばしら(俳優/YouTuber)
古き良き恐怖作品郡の風合いも漂わせしっとりと展開する品の良さ
油断しているとスクリーンからJホラーの新風が
ゴウゴウと吹き荒れ身体がキンキンに冷えていく
途方もない暗黒の濃さに末長く悪夢として顔をのぞかせてくれる予感が…
どうしてくれるんだ!!
川上十億(漫画家)
行方不明の弟を探す男と、霊感のある友達、そしてその二人を追う記者。
この3人が弟の失踪直前を映した古いビデオテープを元に真相を追っていくホラー作品。
登場人物の温度感が全体的に低く、大袈裟なリアクションやジャンプスケア・グロ表現などに頼らない、ファンタジー感を極力そぎ落とした画作りが素晴らしい。
作品全体に終始漂うじめじめとした嫌な空気感と、起こる出来事の妙な違和感の積み重ねでじわじわと闇に近づいていってるような感覚は、古き良きJホラーの気持ちよさを感じた。