木下龍也(歌人)

トンネルだと思った。スクリーンの光が出口に見えたから。もうすぐ辿り着けそうな希望に見えたから。
でも違った。104分後に出口は消えて、濃い闇に取り残される。
もういいかい?身体が呼んでいる。もういいかい?日常が呼んでいる。けれど、応答することができない。この映画は足を踏み入れた時点で手遅れの洞窟。
迷子になった僕の心は、まだそこを彷徨っている。

くるむあくむ(作家)

上映中はおわりのない不穏さがきっと貴方に付き纏う。存在の定かではない”何か”の輪郭が見え隠れし、こちらが見入ってしまう度に引きずり込まれそうになります。ひとつひとつの静寂が印象に残り続ける作品でした。

SYO(物書き)

ジャンプスケアに浸食され気味なJホラー界の新星にして救世主。
こんな静寂と余白の恐怖をずっと待っていた。猛烈に支持します。

田口翔太郎(漫画家)

静かで、ずっと、不穏。
たまに、今のセリフなんて言った?って思うくらい静か。
それでも問題無く観られるのは言葉に頼らなくてもいいから。
最低限の情報で恐怖を演出する手腕に脱帽しつつ震えて観てました。
それでいて、少し、哀しい。

寺内康太郎(「フェイクドキュメンタリーQ」)

ジャパニーズホラーには優劣はなく「陰」と「陽」を持つ作品が存在して、それはどちらもなくてはならない存在である。日本ホラー映画大賞作品では「みなに幸あれ」が「陽」で、今回の「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」は見事にまで「陰」。
「陰」が持つ特有の厭さが、張り詰めた恐怖として画面から音声からも溢れ出ている。

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