総ページ数は120ページにおよび、内容も読み応え満点だ。恐怖小説愛好家でもある近藤監督が自ら約1万字もの手記を執筆しており、本作を読み解くための初公開のエピソードが満載。杉田雷麟、平井亜門、森田想、藤井隆らメインキャストに加え、総合プロデュースの清水崇、脚本を担当した金子鈴幸のインタビューもたっぷりと収録。また、映画監督・脚本家の高橋洋と怪奇幻想ライターの朝宮運河による、2 編の作品解説にも要注目だ。そして極めつけは、劇場入場者特典に続き、ホラー作家の背筋がこのパンフレットのためだけに書き下ろした短編小説を収録。映画本編のみならず劇場入場者特典「未必の故意」ともリンクし、恐怖心をさらに駆り立てていく。そして、本パンフレットの最後に、読者を待ち受けるものとは…。

【背筋/「捨ててもいい場所」著者コメント全文】

人が物を捨てる理由はなんでしょうか。
もういらなくなったから、自分という存在から切り離したいから。
捨てた人はそれをすることですっきりすることでしょう。
ですが、捨てられたものは回収されない限り、いつまでもそこに残り続けます。
ゴミ捨て場、そう呼ぶのは簡単ですが、どうしても捨てたいものたちが積み重なったとき、その場所は新たな意
味を持ってしまうのかもしれません。
『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』がそうであるように。
書いたのは、日常の隙間にできてしまった『捨ててもいい場所』についてのお話です。
別のお話で捨てることを覚えてしまった彼女が、今度はなにを捨てたのか。入場者特典と併せてお読みいただ
ければ幸いです。

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