良策の妻・千穂役の芳根。小泉監督とは映画『峠 最後のサムライ』(2022年)以来となるが、「毎シーン、小泉監督の『本番!』という声で心臓の音が聞こえるくらい緊張しました。でも監督は自然をも仲間にしてしまう方なので、緊張はしているけれども、自然の音が耳に入って来る心地の良い穏やかな現場でした」と充実した表情だった。

京都の蘭方医・日野鼎哉役の役所。主演の松坂とはこれで5度目の共演となるが「笠原良策という役は、松坂君の誠実で志に向かって諦めない男にピッタリ。普段の松坂君が良い人なのかどうかは知りませんが(笑)、でもこの役は松坂君に合っているし、松坂君しか思い浮かばないような役。男でも惚れちゃう感じがします」とユーモア交じりに太鼓判。このお褒めの言葉に松坂は「今日はゆっくりと眠れそうです!」と満面の笑みだった。

松坂は、役所との5度目の共演を回想し「役所さんが演じる鼎哉先生の『名を求めず、利を求めず』というセリフが聞こえてきた瞬間、役を飛び越えて僕にも言われているような刺さり方がした。それはこの仕事をさせてもらう中で今まで味わったことのない感覚で、役所さんの目を見て芝居をさせてもらって、その言葉が出てきた時にグサッと刺さった。それが今でも残っていて、僕自身にも来るものがあった。凄かったです」と改めてリスペクト。

当の役所はテレを隠すように「先輩を立てて褒めてくれてありがたいですね~!」と言いながらニコニコしていた。さらに役所は松坂から「鼎哉先生が授業をするシーンでは、役所さんを先生として授業を受けられる感覚が楽しくて、毎日いい時間だった」と言われると、「本当かなあ?セリフを噛まないで早く終われ!と思っていたんじゃないの?」とチャーミングに松坂をイジって、松坂を「そんなこと思っていません!」と焦らせていた。

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