ロッグワンら4人が顔を揃え、複雑な九龍城砦内で縦横無尽に繰り広げられるアクションシーンについては、「それぞれバラバラに撮っているけど向かっているのは一つの場所。でも位置関係が分からなくなって迷子ですよ。カメラマンに聞いたら『どっちでもいい』と(笑)。バラバラだけど気がついたら都合よくみんな揃っているというふうにはしたくなかった。つながりがほしかったんです」と語る。そこで生まれたのが、上から室外機が落ちてくるシーン。「上でチャン・ロッグワンが戦ってる時に足場にした室外機が落ちて、それがちょうど戦ったばかりの人たちのところに上から落ちてきたら、つながるんじゃないか。そうすると『上だ!』と行くのが僕らにとっても説得力になるし、モンタージュとしてつながりが出せたらいいなと思ってました」と谷垣の言葉を聞いて、ギンティ小林が「立体的なステージを存分に活かしたアクションが堪能できました。ガンガンと落ちてきた室外機を見上げる彼らを見たときに現実にドンキーコングがあったらこんな感じかなと思いました(笑)」と笑うと、谷垣は、「立体的というのはまさにおっしゃるとおり。僕はいつも撮影の中盤になると、アクションのなかで『これいいカットだな』と思うのを並べて適当に音楽を入れてみるんです。今回もそれを作ってソイ・チェン監督に送ったら「面白い」と。ただ、面白いけど高低差があるといいよね、という話に」なり、それが形勢逆転のきっかけとなるラストのシーンが生まれるアイディアにつながったのだとか。

また、4人で相手の手足をそれぞれに持ち、何度も地面に叩きつけるシーンについては、ソイ・チェン監督から「ティッシュみたいに人を殴りたい」という希望があったと明かす。ふわふわと舞うような動きにするため、ワイヤーを付けてサッカーのリフティングのようなことも試したが、なかなか上手くいかなかったのだそう。「カット割りしたくないし、カットを割れば成立することを見せてもしょうがない。何かないかな?」と考えた結果、芸人のビッグスモールンのネタをヒントに、4人で相手の手足をそれぞれに持つという“技”に。ちなみに、アクションは実際にやっているが、下にはマットを敷いており、CGでマットを消しているのだとか。

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