「岩下志麻さんのような迫力」現場を震わせた戸田恵梨香の執念
撮影現場では、戸田の凄まじい役作りがスタッフを圧倒した。瀧本監督が今も忘れられないというのは、クランクインの約1ヶ月前に行われた衣装合わせでの出来事。
「当時の脚本に納得がいっていなかった戸田さんが、着物姿のまま僕らのところに詰め寄ってきたんです。『監督、プロデューサー、このシナリオで本当にいいんですか? このドラマで何を訴えたいんですか?』と。その時の目が本当に怖くて(笑)。まるで極妻時代の岩下志麻さんのような迫力でした。その瞬間、『あ、この人ならいける。この熱量があれば大丈夫だ』と確信しましたね」

これに対し、戸田は照れ笑いを浮かべながらも、「その時期、役作りのために岩下志麻さんの映画をたくさん見ていたので、その影響が出てしまったのかもしれません」と明かしました。しかし、その問いかけこそが、作品をより深い次元へと押し上げるきっかけとなった。
戸田の熱意を受け、脚本は大幅にブラッシュアップされた。「細木さんの資料を調べれば調べるほど、現実は脚本以上に壮絶だった。どうせ演じるならもっと激しく、もっと深くやりたいという欲が出てきたんです」と語る戸田さんの言葉からは、一人の人間を演じきることへの並々ならぬ執念が感じられました。
