演じたキャラクターについて中野は「瞳は心の中に不安や辛い事があったと思うけれど、周りにはそれを見せない子。そこを隠しつつもちょっとだけ辛いところを表現できればいいなと思いました」と紹介。瞳の母親・裕子役の松尾は、河瀨組ならではの“役積み”の過程で家族役の俳優たちと一泊二日の京都旅行をしたそうで「そのような時間をカメラの外で過ごさせていただき、撮影中も役名でお互いを呼び合うのはもちろん、病室にずっと一緒にいました」と本物の家族になったかのような撮影期間を振り返った。
心臓病を患う少年・久志の母親・由美役の岡本も“役積み”を経験。「(中村と)撮影前に動物園に行って、二人で観覧車に乗って私のスマホで写真を撮ったんです。思い出に、と思って撮っただけだったんですが、それが劇中の病室に飾ってあったりして。撮影前にも二人の時間を沢山作ることが出来ました」とニッコリ。中村は「その写真は今僕の家に額に入れて飾っています。岡本さんとは仲良しだからずっと一緒に遊んでいました」と嬉しそうだった。
最後に河瀨監督は「この作品の中には皆さんへの質問のようなものが組み込まれています。皆さんのそれぞれの人生の局面において、自分だったらそこでどう考えるのか、どんな愛を手渡していけるのか、本当の繋がりとは何なのか。それをほんの少しでも考えるきっかけにしていただけると嬉しいです」とアピール。恩師からは「最高傑作」、第60回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した『殯の森』の助監督からは「同じ空気感を感じた」と言われたそうで「これまで河瀨映画を支えてくれた人たちからそういう言葉をもらえる作品をこの世に誕生させた自分に、今日は拍手を送りたい」と、映画公開初日の喜びをしみじみと噛みしめていた。