この度、現在開催中の第75回ベルリン国際映画祭にて上映され、横浜聡子監督、主演の原田琥之佑さんが参加した。
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上映前には部門ディレクターのセバスチャンが、「この物語は、日本でも珍しい、海辺に広がるPlace of imagination(創造の場所)が舞台になっています。美しいシーンと、素晴らしい構成、マジックが体験できます」と紹介。コミカルな要素も散りばめられた本作の上映中は随所で笑いが起こり、Q&Aの際も場内は和やかな雰囲気に包まれた。
上映後には、観客との Q&Aの場が設けられた。制作の経緯を尋ねられた横浜監督は、「原作は三好銀さんが書かれた同名の漫画です。プロデューサーの和田大輔さんから映画化しませんかと声をかけてもらったのがきっかけです。私もその漫画が大好きだったので、私でいいのであれば、難しそうだけどぜひやってみたいです、とお答えしまして、そこから6年ほど2人で企画を温めてやっと実現しました」と明かした。また、映画化する上で、「原作は絵がとても象徴的で、絵を見ただけで、世界観が見てる側にぱっと入ってくるような、力強さがある漫画なんです。映画にする上で、この強い絵をどうやって映像にするかというのは非常に悩みました」と苦労した点を語り、「撮影の月永雄太さんが、やはりこの映画では色の設計をちゃんとやろうと提案してくれました。ノスタルジックなカラーというか、原作とはまた少し違うんですけれど、時代や時間というのが一見するといつなのかよく分からないような、どこにも限定されない浮遊した場所や時間ということをなんとなく意識していた気がします。そういう流れがあって、実際の見た目とは少し違うような世界の色が出せたと思います」とこだわりを明かした。 本作で長編映画初主演を飾った原田は「今は15歳ですが、撮影は13歳の夏でした。(撮影を行った)小豆島は、とっても綺麗で、空気も新鮮で、空もすごく青くて、自然と(演じた)南奏介にどっぷり入り込めるような環境でした。撮影時は163cmくらいだった身長も今は173cmまで伸びました」と撮影時を振り返る。
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