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戒厳令、大統領弾劾裁判で注目を集める韓国社会について春木さんは、「原作がベストセラーとなり話題となってから今年で10年。韓国社会はどのように変わったのかというと、就職難は依然として解決されていないですし、若者たちには息苦しさがあります。それは社会的な構造の問題を変えないと解決しないのに、『分極化」と言われる政治家がジェンダー対立を煽って、政治的に利用しているのです。兵役がある男性は女性より不利だ、女性に追い抜かれてしまう、といって女性優遇策を廃止して男性の支持を集めて当選したのが尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領です。一方、女性は保守政党には希望が持てないと、進歩政党に希望を託したのですが、大きな変化はなかったです」と語る。
これからの韓国と日本については、「韓国と日本は非常に似ているところがある。日本が選ばなかった未来や過去が、韓国にある、パラレルワールドのように思います。韓国の変化のスピードは日本より速い。お互いの政策を参照しながら、進んでいくといいと思います。互いに解決の道筋を学ぶことができると思います」と語った。
「成功のモデルはひとつではない。どこにもパラダイスはないという事を描きながらも、しないよりは、行動して後悔したほうがいいという映画のメッセージがよかったと思います」と映画の魅力を語り、トークイベントを締めくくった。