
『チャーリーズ・エンジェル』や『キル・ビル』で有名なルーシー・リューだが、ソダーバーグ監督との仕事を熱望していたと語る。コロナ禍を予言したと言われる傑作『コンテイジョン』(11)や『サイド・エフェクト』(13)などの医療系スリラー、アカデミー賞を受賞した『トラフィック』(00)や『オーシャンズ』シリーズ(01~07)のようなクライム群像劇もの、『エリン・ブロコビッチ』(00)や『チェ』二部作(08)などの社会派映画、さらには本物の格闘家を起用したスパイ・アクション『エージェント・マロリー』(12)など、多種多様なジャンルやテーマを巧みに描き切る巨匠スティーヴン・ソダーバーグ。実際に現場に入ってみると「常に新しいことを実験しながら何か違うものを生み出そうとする」という、その姿勢を絶賛。「彼の作品はすべて彼自身が試行錯誤して遊ぶように作り上げているように感じる」と、その刺激的な体験に感無量。また監督自身が俳優を信頼していて「現場ではほとんど何も言わない」、故に俳優たちの責任感と一体感が生まれるという。

本作を三つの言葉で表すなら、と聞かれたルーシーは「緊張感、予測不能、覗き見」のキーワードを挙げた。これらを劇場で様々な人と体験することで生まれる“意味”がある、と語ったルーシー。「観客自身がこの映画に自分の“存在”を持ち込むことによって、それが特別な体験を生み出す」と、絶対に劇場で観るべき作品であると力説。一人称の撮影方法によって観客が自然と映画の一部になっていく稀有な経験を勧めた。
インタビュー映像はこちら https://youtu.be/Vsl6BBaNhAA