この度、ポスタービジュアルおよび太田慶監督のコメントが届いた。

<監督・脚本・編集:太田慶 コメント>

ドストエフスキーの短編「白夜」は、決して成就することのない恋を描いた珠玉の「反=恋愛小説」です。そこには凡百の恋愛小説を超えた真実があるように思います。「白夜」をモチーフにした映画を作ることで自分が何故この物語に惹かれるのかを探求してみたい、新たなエンディングを提示することで恋愛の彼岸まで行ってみたい、というのがこの映画の創作動機です。

主演はこれまで私の映画にずっと出演してもらっている永里健太朗さん。どんな役でも出来る人ですが「繊細な青年」を素直に演じられる貴重な存在です。本作ではそんな彼の素の良さが存分に発揮されていると思います。ヒロイン役は城定秀夫監督の『ビリーバーズ』で信仰の彼岸まで行ってしまった“副議長”役を演じた北村優衣さん。期待通り、現世を突き抜けた存在を見事に演じ切ってくれました。もう一人のヒロイン役はウエダアツシ監督の『うみべの女の子』で「発見」した高崎かなみさん。彼女をもっと見たいと思い、自分の映画に出演してもらいました。ぜひ彼女の透き通るような存在感をスクリーンで体感してもらいたいです。

秋は恋の季節と言われますが、「反=恋愛映画」も秋が似合います。紅葉の美しい風景から立ち昇る切なさを感じ取ってもらえたらと思います。ロベール・ブレッソン監督の『白夜』4Kレストア版が公開される年にこの映画を公開できることを嬉しく思います。『白夜』のささやかな変奏曲を、ぜひ劇場でご覧になってください。

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