ー 珠にとってのナナゲイのような、居場所のような場所はありますか?
ライブハウスが最初そういう場所でしたが、コロナ禍もあって、時々嫌なこともあるので、一時期“居場所”っていう感じではなくなった時もあって。でもまた原点に帰ってきて、また居場所になっているなと思います。
ー 伊集院さんにとって音楽はどのような存在ですか?
追いかけて、追いついた気になってまた追いかけて、一生懸命掴もうとしようとしている感じがします。
ー 完成した映画をご覧になっていかがでしたか?
自分じゃないテンションで観れたのがすごく素敵なことだなと思っています。「ここはこうしたかった」というのもあるけれど、観客の気持ちで楽しく観れたところがあって、それって「この作品はエンターテイメントなんだな」と思います。自分が出たのに引き込まれたことが、すごく嬉しかったです。
ー 数々の映画祭で評価されましたが、観客の反応は伝わっていますか?
出品された映画祭の授賞式がある度にエゴサしています。私は、感動した時ほど、「すごいよかった」みたいなシンプルな感想になっていく気がして。すごく感動しているのに言葉にできない感じが伝わってきて、「すごいよかった」っていう一見深くない言葉が、すごく刺さっている感じがします。
ー 本作の見どころはどこだと思いますか?
いっぱいあるんですが、やっぱりたくさんのお客様と作れたライブシーンですね。(映画のエキストラ募集をしたのではなく、要1ドリンクでライブのお客さんを集め、)ステージからBIGCATという広い会場にお客さんがいっぱいいるのを見て、ミュージシャンとしての自分の気持ちもテンションが上がって、感動しました。お客さんも本当に楽しんでいる本当の気持ちが撮影されていて、演技じゃないものが撮れている感じが、あまりないことだと思うので、映画を観て体感してほしいと思います。
“翳ラズ”のステージは、「プロだな」「かっこいい」っていうオーラや華がありました。楽屋でしゃべっていると、みんな気さくで冗談も言い合っているのに、ステージになったら、その人のままだけれどギラって輝く感じが、めっちゃかっこいいと思いました。
ー 読者にメッセージをお願いします
ライブの空気感が、本当の空気感、生の質感が撮れていると思います。今後配信などで見てもらっても嬉しいけれど、それをより体感できるのは映画館で観ることだと思うので、ぜひ劇場でその空気感を体感してほしいと思います。