親子の別れ、命の最後の瞬間。
これまでも数多く描かれてきたテーマを驚きにみちた表現で誰も観たことのない世界に変えてしまう。
秀作を生み出す A24 が実現させてきた終わりなきチャレンジ精神はこの映画にも脈々と受け継がれていた。

死を告げる不思議な鳥。
創造的な生き物を目の前にしてもこの物語がリアルだったのは痛みの表現がとても切実で現実的だったから。
母娘の何気ない会話がじんわりと沁みていく。

娘を失いたくないあまりに奇天烈な行動をとる母親、
現実とファンタジーの狭間で揺れながらも
私も彼女と同じことをするだろうと心を重ねてしまう時間だった。
―――東 紗友美(映画ソムリエ)

娘を失う恐怖に取り乱し、世界が終わるかのように暴走しながらも、
娘に寄り添おうとする母親の愛情と想いが痛いほど胸に迫る。
ラスト、<デス>がそんな母親に向けた言葉も、喪失の先の希望を感じさせてグッとくる。
“死”を通して、“生”と“愛”を浮かび上がらせる、切なくも美しい作品だ。
―――杉嶋未来(ライター)

否応なしに訪れる死と、人はどう向き合えばいいのか?
苦しい日々を乗り越えるために、人はどう生きていくべきなのか?
一見、奇妙で型破りな作品に見えるが、ここにはその真摯な問いかけと、真摯な探求がある。
―――門間雄介(ライター・編集者)

「死」に対する狼狽、葛藤、恐れといった感情を
大胆でユニークに視覚化したダーク・コメディドラマ。
死をネガティブなものとして捉えず、
死との関係性を築くことにフォーカスする。
ジャンル風の独創的な作風でありながら、
心に深く突き刺さる。
―――立田敦子(映画ジャーナリスト)

人間の“死”を容赦なく描くことで、相対的に宇宙、自然、生命の神秘にコネクトしてみせる驚愕展開…
と同時に小さな人間による日々の営みも同じスケールでその尊さを説く離れ業…
死を中心として血と暴力と苦痛が渦巻く社会を優しく包み込む“勇気”を大いに鼓舞する超怪作!
―――末廣末蔵(ジャンル映画大好きツイッタラー)

泣かせにかかってくる難病ものが苦手だ。作り手本位な搾取のにおいが強いから。
本作は違った。神話性の中に喪失と救済――相反する死の真実の姿を現出させた。
母の破滅的な行動も、娘の動かぬ心情も。全てに当事者性が溢れ、心の芯に響く。
―――SYO(物書き)

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