MCの伊藤さとりから「演じられた役柄」について聞かれると

まず橋本は、早乙女カナコというキャラクターについて「男性恐怖症を抱え、本来の自分らしく生きられていない不器用な人間」と分析。しかし、その不器用さゆえに、遠回りしながらも懸命に生きる姿に愛しさを感じ、自身にも重なるところがあったと共感を示した。観客の明るい表情を見て安堵した様子を見せ、カナコの生き様が観客の心に何かを残せればと語った。

中川は、長津田啓士役について、前回の舞台挨拶で「ファンが想像する自分とは違う一面を観ることになるだろう」と語っていたことに触れ、観客が既に長津田という人物に触れた後であることを踏まえ、自身の内面も反映された人間臭いキャラクターになったと述べた。

日本アカデミー賞新人俳優賞、優秀助演女優賞を受賞したばかりの山田には、会場から祝福の拍手が送られた。受賞の喜びと、映画への情熱を新たにしたと語る山田は、本田麻衣子役について、演じるうちにどんどん麻衣子が好きになっていったと明かした。

男性にモテることや可愛らしさに自身の価値を置いていた麻衣子が、内面の成長を通して真の魅力を見出していく過程が素晴らしいと語り、役作りにおいては、初期の麻衣子の外見を意識した行動や服装にもこだわったと説明した。

臼田は、慶野亜依子役について、当初は着実に目標を達成していくしっかりとした女性像を想像していたという。しかし、撮影現場で橋本演じるカナコのまっすぐなエネルギーに触れたことで、亜依子の足元が揺らぐような感覚を覚えたと語り、当初のイメージとは異なる演技になったと明かした。
矢崎監督は、キャスト陣への印象を聞かれると、パンフレットに詳細なコメントを掲載しているため、そちらを読んでほしいとユーモアを交えて回答し、会場の笑いを誘った。