<主演:中原丈雄 コメント>
2020年7月、地元情報誌「どうぎゃん」に連載原稿を送る際雨の様子は聞きましたが、まさか翌日のニュースで人吉球磨の豪雨災害を知る事になるとは思いもしませんでした。自分の故郷で映画を撮る話を頂いた時には、中途半端で無く作品にちゃんと関われるなら参加しますと申しました。故郷を描く作品なら尚更、俳優としては尚更の事。
演じた今西孝之は、作品の核となる或る事情の為、母に子を預け、何十年も家を離れ、普通なら非難されて然るべき、相手にされる事の無い男ですが、そうする事しか解決の道は無いと考えた武骨で頑な、実直で寡黙な性格が底辺にあると思い演じました。とても静かな球磨川の深い霧の様な作品です。是非劇場でご覧下さい。
<監督・ 大木一史 コメント>
2020年の熊本豪雨の翌年から取材を重ね、4年の歳月を経て本作が完成した。球磨川流域の人々の思いや生き様に触れながら、復興の歩みを見つめ続けた。
街は徐々に復旧しつつあるが、人々の心の傷が癒えるにはまだ時間が必要だ。それでも、河と共に生きる人々は、河の囁きに耳を傾け、河を生きるいしずえとして、希望と再生の道を見出しつつある。河の持つ深い不思議な力と向き合う人々の生き様を、この映画を通して伝えたい。
<エグゼクティブ・プロデューサー・青木辰司 コメント>
「日本で最も豊かな隠れ里」と称される熊本県・人吉球磨地方。球磨川水害の常襲地を襲った想定外の大水害。5年前の豪雨災害の爪痕未だ消えぬこの地で、長年暮らす人々は、「それでも川を恨まない」という。その訳を探り、厳しい現実に向き合い、球磨川と共に生き抜こうとする人々を追う。その姿に我々は何を学び、何に気づくのか?この映画は、事実を忠実に踏まえ、重い課題に正面から向き合う、次世代へのメッセージでもある。