<監督・脚本:天野千尋 コメント>
本作で描かれる15年間で、ふたりの佐藤さんはゆっくりと変化していきます。⼦供から⼤⼈になり、社会に出て、それぞれの⽴場で役割を担っていく。ひとりは弁護⼠に、ひとりは主夫に。⽴場が違うと、眺める世界もちょっとずつズレてくる。そのうち相⼿の⽬にいったい何が映っているのかわからなくなる。理解できないと怒ったり、憎んだり、切り捨てたりする。佐藤さんに限らず、これは社会の中で⽣きる私たち誰もが経験することです。
「他者」をどう理解するか、どう折り合いをつけていくかを、私たちはずっと考え続けなければならないと思っています。

<岸井ゆきの コメント>
どうして分かり合いたい⼈とこそすれ違い、分かち合いたいことも、ほんとは楽しいはずの会話も、余計なひと⾔や不要な思いやりによって⼿のひらからすり抜けていくのだろう。
私には夫婦の”普通”が分からないけど、家族というのはあまりにも普遍的で、それぞれがあまりにも特別なのだと思う。
佐藤さんと佐藤さんの激しくて楽しくて切なくて嬉しい数年間の記録が、どこかであなたの⼈⽣と重なりますように。
そして、⾒逃しそうな幸せをどうか⾒逃しませんように!