この度、芥川賞作家・金原ひとみが今作に寄せた特別エッセイを映画公式サイトにて公開!

2003年「蛇にピアス」ですばる文学賞し、翌年同作で芥川賞を受賞。その後も「TRIP TRAP」で織田作之助賞、「マザーズ」でドゥマゴ文学賞を獲得。近年も、「アタラクシア」で渡辺淳一文学賞、「アンソーシャル ディスタンス」で谷崎潤一郎賞、「ミーツ・ザ・ワールド」で柴田錬三郎賞に輝くなど、めざましい活躍をみせる小説家の金原ひとみ。作家生活は20年を超え、昨年発売の「ナチュラルボーンチキン」は数々のメディアで紹介され、圧倒的な絶賛と共感を集めた。

4月10日には最新刊「YABUNONAKA—ヤブノナカ—」が控えるなど、精力的な活動を続けている。
金原は、昨年発売された「新潮」2025年1月号(新潮社刊)に、「ニコール・キッドマンの初恋」という随筆を寄せており、誰もが知るハリウッド女優ニコール・キッドマンが、金原の人生の節目にアイコニックに存在していたエピソードが綴られた随筆を読んだ映画側からの“今のニコール・キッドマンをご覧いただきたい!”という熱烈なオファーにより執筆を快諾。

現代を生きる生身の女性の心と身体についての作品も多く執筆している金原が、今回ニコール演じるCEO が年下のインターンによって秘めた欲望を嗅ぎ分けられ、危険なパワーゲームを繰り広げていく映画『ベイビーガール』に、「魔物と生きる」というタイトルで特別エッセイを書きおろした。特別エッセイは映画公式サイトから読むことが可能。

あらすじだけを辿るとセンセーショナルな映画と捉えられるかもしれないとしたうえで、「本作品が描いているのは、この数十年で変化した先進国的な価値観の中で居場所を無くしつつある、人々の「乖離」の行く末だ」と金原は語る。「善き人でありたいと望むことと、破滅したいと望むこと」といった欲望と理性、野心と道徳といったアンビバレンツな感情で揺れ動く主人公ロミーのように、「健全さを求める現代社会と己を突き動かす衝動の間で、引き裂かれんばかりになっている人は少なくないだろう」と慮り、「人間の生き方が狭まっていく二千二十年代に於いて、本作は今まさに必要とされていた映画とも言える」と作品を讃えている。

特別エッセイ「魔物と生きる」特別ページ https://happinet-phantom.com/babygirl/special.html

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