撮影中のエピソードとして、香川は中村アン、竹原ピストルと、過去に西川美和監督作品で共演したことに触れ、「西川組の現場に出ていた3人が揃った時は、不思議な縁を感じました。『ゆれる』もまた、人間の心の奥底にある怖さを描いた作品で、本作にも通じるものがあると感じています」と感慨深げに語った。
お二人で監督する良さを尋ねると、関監督は「2人で監督、脚本、編集を全て行うことで、お互いのアイデアを補完し合い、よりクオリティの高い作品を生み出すことができると考えています」と説明。平瀬監督も「アイデアは頭の中にあるだけでは良し悪しが判断できません。口に出して、相手の反応を見ることで初めて、そのアイデアの真価が見えてくるんです」と、二人体制のメリットを強調した。
香川も「俳優の立場から見ても、複数の監督から多角的な視点でアドバイスをもらえるのは、非常にありがたいです。自分では気づかない部分、足りない部分を補ってくれるので、より深く役柄を掘り下げることができました」と、俳優側の視点から複数監督制の利点を語った。

そして香川は、本作が「カタルシスを提示しない」という斬新な構成であることに触れ、「カタルシスで終わらせることが全てではない。視聴者に問いを投げかけ、様々な解釈を許容する、そんな新しいドラマの形を提示していると思います。これは歴史に残る作品になる」と、改めて自信を覗かせた。
平瀬監督も「カタルシスがないことこそが、この作品からのメッセージです。視聴者の皆さんには、ぜひその不気味さ、気持ち悪さを存分に味わっていただきたい」と語り、関監督も「各話の主人公と、香川さん演じる男の奇妙な関係性、演技のぶつかり合いを楽しんでほしい」とアピールした。

最後に香川は、「全6話、毎回集中して見ていただく必要がある作品ですが、CMがないWOWOWだからこそ実現できた作品だと思います。ぜひリアルタイムで見ていただき、その後も繰り返し見て、自分なりの解釈を見つけてほしい。各話に仕掛けられた、僕自身の細かい演技にも注目していただけると嬉しいです」とメッセージを送った。
