それを踏まえた上で、「この物語では、死に関係するおそろしいことが次から次へと起こるわけですが、どういう風にこれだけのものを詰め込み、この物語を発想したんですか?」という黒沢監督の質問に、「この映画の脚本を書き始めたときは、自分がどういう映画をつくりたいのか、分からずに書き始めたんです。あえて言葉で説明できない映画を撮りたい。言葉にできないけど、自分の心を激しく揺さぶられるような映画をつくりたいと思ったんです」と説明する早川監督。

早川監督自身、子どもの頃から映画を撮りたいと思っていたというが、その理由について「おそらくその時に感じていた胸の痛みや寂しさといった、そういう欠落しているものを埋め合わせるものとして、当時、映画というものがあったような気がしていて。その時の感覚を思い出してつくりたいなと思ったんです。『ルノワール』に関しては、いつかこういう映画をつくりたいと思っていて。子どもの頃から考えていたシーンを。それはバラバラなエピソードだったんですけど、それを書き連ねる、というところから始めました」と述懐。

とは言いながらも、映画の制作中は手探りだったとのことで、「編集の段階でようやくこういうことが言いたかったのかなということがおぼろげに見えてきた作品だったんですけど、実際にこうやって完成して。今、黒沢監督がおっしゃってくださったような言葉を聞いて、ああ、こういう映画だったのかと。自分でも腑に落ちる感じでしたね」と振り返った。

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