さらに、役柄を演じて特に意識したことについて、鈴木は「大きく二つあります。一つは、現実的な兄妹の関係をつくりたいということです。誇張した大阪の兄弟になりすぎないように、大阪の人たちが観た時にリアルだと思ってもらえる兄妹の関係性を目指しました。二つ目は、加藤俊樹のキャラクターについてです。両親を亡くして妹を育ててきたという立派な兄でもありますが、“THE・良いお兄ちゃん”ではなく、“妹を一人で育てられた俺!”という自分勝手な人間にすることで、妹への愛が引き立つのではないかと意識しました。」、

有村は「兄やんやもう一つの家族・繁田家の皆さんとの距離感を整理しながら、フミ子には別の女性の記憶があることについて考える部分がありました。別の女性の記憶は、フミ子にとって小さい頃から共存している感覚なので、フミ子の人生はフミ子の人生として、けれど心に人がいるという感覚を意識していました。」とそれぞれの役作りについて明かした。

そんな二人のキャスティングの経緯について、前田監督は「関西を舞台に関西で撮影することは決めていたため、関西弁がネイティブな方に出ていただきたいと思っていました。俊樹は兄なので、現場でもリーダーシップがあって兄のような存在感のある亮平さんにお願いしたいと思いました。フミ子は柔らかく見えるけれども芯が強いキャラクターで、東大阪の町工場で一凛の花が咲いているような女性をイメージしていました。亮平さんとの組み合わせもぴったりで、この二人なら『花まんま』の世界がつくれるんじゃないかと思いました。」と振り返った。
