この度、解禁されたのは、喋って歌って変幻自在な一羽の鳥<デス>を演じた俳優アリンゼ・ケニとチューズデー役のローラ・ペティクルーを捉えたメイキング写真。

<デス>という大胆なキャラクターにリアリティを持たせるべく、実際にその場で演じる俳優アリンゼ・ケニを中心に据え、キャスト同士の掛け合いが自ずと発生する環境を用意した。「人間の大きさになるシーンでは、ケニが実際にその場で演技し、編集時にVFXチームが彼の姿の上に直接アニメーションを描いていきました」とダイナ・O・プスィッチ監督は話す。限られた予算の中でいかにリアリティのある<デス>を生み出すか、試行錯誤を繰り返し、多くの時間を費やした。後々の編集作業の都合の為、入念なリハーサルを経て、VFXを使用するシーンでは3回ずつ撮影を行う必要があったという。また、2週間の期間で撮り切るハードな撮影スケジュールでもあった。
本作でVFXスーパーバイザーを務めたのは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(21)、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(21)など数多くの大作にも携わってきたマイク・スティルウェル。彼が取り組むプロジェクトでは VFX とライブアクション映像をシームレスに融合することを可能とし、ストーリーテリングが向上すると定評があるため、<デス>を創出する上でも非常に重要な存在だったとプスィッチ監督は絶大な信頼を寄せる。また、同じく、VFXスーパーバイザーを担当したアンドリュー・シモンズも、『ワンダーウーマン』(17)、『ボヘミアン・ラプソディ』(18)、『マレフィセント2』(19)、『ライオン・キング』(19)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)などに携わり、20年以上の経験を持つベテランスタッフ。

撮影前の準備に1年、撮影後のポスプロダクションに1年をそれぞれ費やし、本作は完成した。プスィッチ監督は「<デス>のデザインは私たち3人(前述のスティルウェルとシモンズ)で考えました。恐ろしくもあり、愛らしい雰囲気と外見を探し求めていく中で、“死”の視覚化という役割を、光のような形状に担わせようかと考えた時もありましたが、真実味のある話し方をし、この世のものでありながらも遠く離れた対象とも感じさせる、本質的な不死性と全能性が備わった存在を考え、コンゴウインコに基づくことに決めました。でも、よく目にするコンゴウインコそのものの姿をしていたらリアリティに欠けるだろうとも思ったので、絶滅した鳥たちも含め、さまざまな種類のコンゴウインコの特徴といろんなフォルムの鳥類を掛け合わせ、ユニークな怪物を創り上げました」と明かす。また、「人間より大きくなったり、掌に収まったりと<デス>は自由自在。そのため、各シーンにおける<デス>のサイズ、見た目を考え、その時々での翼の羽ばたき方、歩き方、威厳があるように見せる為にはどうやって関節を動かすのか…鳥みたいだけど、鳥じゃない動きをするにはどうしたらいのか、多くの議論を交わしました」と苦労の末、畏怖の存在でありながらもチャーミングさを兼ね備える<デス>を誕生させた。