この度、日本体育大学にて約350名が在籍する保険医療学部 救急医療学科の生徒を対象に特別試写会を開催。試写後には小栗旬と窪塚洋介演じるDMAT隊員のモデルとなった、阿南英明医師と近藤久禎医師によるトークの後、生徒には内緒で小栗と窪塚がサプライズで登壇した。

本作の主人公・結城英晴のモデルとなった阿南英明医師、DMAT事務局長で仙道行義のモデルとなった近藤久禎医師、映画『フロントライン』の企画、脚本を担当した増本プロデューサーが登壇し、一言挨拶するとイベントがスタート。
本作の感想を阿南医師は「事実に基づいて作り上げていただいたと思います。船の中や外で本当にあった事を積み上げていただいて。 僕は4回泣きました。」 と、近藤医師は「できた事を思い出せた半面、その後の課題についても焦点を当てていただいたと改めて感じました。」と話した。 増本は本作へのリサーチ期間を経て「一年ぐらい取材させてもらって、当時パソコン画面越しだったので、初めて(阿南医師と近藤医師に)お会いしたのは撮影に入る直前でしたよね。今こうしてお二人と立たせていただけた事が光栄です。」と完成した思いを語った。続けて、増本は「当時『THE DAYS』を撮影していて、10日ぐらい経った頃にコロナの影響で撮影が止まってしまいまして。どうにか続けたいと思って、日本で一番新型コロナウイルスに詳しい方にどうやって撮影したら安全なのかを聞きたいというのがあって阿南先生たちに話をうかがって。何度も取材をしていくうちに、撮影再会のための取材よりも、ダイヤモンド・プリンセス号でそんな事があったんだという話を聞いて当時の報道と違うところがあったので興味を持ちました。これは何らかのかたちで伝えられたら意味があるなと思ったのがきっかけです。」と本作の企画について振り返った。
DMATの組織について近藤医師が「ちょうど今年で発足から20年になりますが、被災地の都道府県の要請に基づいて、個々の医療機関からチームが派遣されるシステムになっています。実際に出動するのはDMATに登録しトレーニングを受けている医師や看護師などになります。災害時に現場に行き、被災地で頑張っていらっしゃる医療機関を支える、そのためであれば何でもやるという組織になっています。」と説明。DMATの活動をする上で最も大事にしている事を問われると阿南医師は「それぞれの現場で困っていることが違うんですよね。違う困りごとを一瞬で拾い上げて支援のかたちを構築することを心がけてます。船の中で困っている人がいる、では私たちは何をするべきなのかを考えて動いていったということですね。」と話した。
阿南医師をモデルにした結城を小栗が、近藤医師がモデルになった仙道を窪塚が演じ、そのキャスティングについて「取材を通してお二人からの言葉で素敵だなと思ったのが、災害時は何も決まってないから立場がどうとか、セクションがどうではなくて、できることは全部やるということでした。色んな人に批判もされるでしょう、それでも我々はやるんですとお話されていて、批判を恐れずに困っている人のために厳しい状況に立ち向かっていくキャラクターを誰にお願いするかとなった時に、批判を恐れずに自分が正しいと思う表現をしている人は小栗旬と窪塚洋介なんじゃないかと思ってオファーしました。」と明かした。
小栗についての印象を阿南医師は「背が高くてスタイルが良くてカッコイイんですよね。芝居に入るとぐっと入り込んで集中されてたんですけどそれが魅力的で。小栗さんが劇中で使っていた聴診器は実際に僕のものなんです。診察のシーンは研修医にもこうやってほしいなと思うくらい、本当にすごい再現性でしたね。」と話し絶賛した。