正⾨を招いて刑事バディ『SUNA』を⼿掛けた加藤シゲアキ監督は「僕は脚本を書いてからキャスティングについて考える。出演を頼むときに断られたくないので、断らなさそうなやつにしました(笑)」とニヤリ。加藤シゲアキ作の舞台に出演した経験のある正⾨は「舞台の際は⾃分の経験が浅くて⼼配をかけたけれど、成⻑しているところを⾒せたかった」と意気込み⼗分だった。

ただペーパードライバー歴5年という正⾨は「運転シーンは助⼿席に加藤君が乗って。やめてくれ!と思った。よく内容を変えずに突き進んだなと思った」とぶっちゃけると、加藤シゲアキ監督は「やめてくれ、はこっちのセリフだよ!」と爆笑しつつも「⽬の下にクマを作るために寝ずに徹夜で来てくれた」と正⾨の本気度に感謝。撮影最終⽇には「(正⾨が)楽屋に⾏ったら死んだように爆睡していた。(正⾨の)役作りが功を奏して、劇中の緊張感に繋がった」と確信していた。

加藤シゲアキ監督は『SUNA』について「彼は⼩説を書いているから内容も⽂学的。現場で考えたというよりも、画作りがしっかりと出来ている⼈。映画だな!と思った」と絶賛。加藤シゲアキ監督は『Victims』について「最初の編集の段階で30分以上あったと聞きました。それだけ撮れ⾼が⾼いのだろうと思った。それを15分に切り詰めたからこそ、独特のテンポ感とコメディ感があった。ほかにはない濃密さがあった」と述べると、加藤監督は脚本執筆の段階で1ページ=1分尺という常識を知らなかったと告⽩。「それを最初に教えてよ!」と吠える加藤に、⼭⽥孝之は「結構、常識なので…(笑)」と苦笑いするしかなかった。