ワールドプレミア上映が行われたパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレのシアター・リュミエールの約2,300席は満席。本編の終盤、エンドロールに差し掛かるやいなや、早くも場内からは惜しみない拍手と歓声が巻き起こり、劇場を埋め尽くした観客たちから約6分間のスタンディングオベーションで賞賛を受けた。熱気に包まれた会場からは同作への評価の高さがうかがえた。場内を出ると、多くの海外のファンが集まり、サインを求める様子も。大好評の中、公式イベントを終えた。

上映後に行われた日本メディア向けの囲み取材では、早川監督は「映画祭の1番大きいリュミエールで上映するのは初めてでしたが、場内の熱気が段違いで、胸が一杯になりました」と述べた。

また、初めての国際映画祭への参加となる12歳の新鋭・鈴木は「私は、俳優を始めてたった2年でカンヌに行けてしまい、びっくりしています。自分が想像していた以上に、観客の皆さんがワァーと反応してくれたり、“ユイ”って声を掛けてくれたり、(今までに自分が)見たことがないぐらいの数の人に映画を観てもらえて、すごく嬉しかったです」と答え、「経験したことがないことばかりでびっくりしたけど、あ~めっちゃくちゃ嬉しいなぁって身体の底から感じました」とはにかんだ。

石田は「海外の映画祭に参加するのは35年の俳優人生で初めての体験。海外の観客の映画を観てやるぞという意気込み、クレジットひとつひとつに拍手が起こることに驚きました。映画に対する真摯さと温かさを感じました」と感慨深げに語った。

リリーも「この映画のすばらしさが前評判として観客に伝わっていたと思うが、真剣に映画を観ていることがひしひしと感じられました」と上映中の様子を述べ、「スタンディングオベーションをいただけるのは嬉しいのですが、いつも座持ちがしないなと思っていたんです。でも、唯ちゃんが居ると何分でもできるなって、楽しかったです」と茶目っ気たっぷりに振り返った。
