俳優・鈴木唯の魅力について尋ねられると、石田は「唯ちゃんはまだ幼いので、深いところで本作のことを理解することはできない部分もあるでしょうが、ただただ自転車を漕ぐとかそこに存在するということができるというところがとっても素敵だと思います」と鈴木の純粋無垢な存在感を称賛。

また、リリーは「撮影当時11歳で、何かになりかけている、その一瞬の夏を監督が切り取ったからこその生々しさと彼女の演技力がすごくマッチしている。演技だけではなかなか成立しない魔法の一瞬を早川監督が収めた、稀な映画だと思います」と本作の貴重性を力説した。早川監督は、「子どもに演出をするのは難しいだろうなと覚悟を持って挑んだのですが、唯ちゃん何も言わなくても演技をしてくれて、監督としては非常に楽でした。どうやったらこんな風にできるんだろうなって思うことばかり。唯ちゃん様々でした」と明かし、鈴木の柔軟さと高い演技力に感謝を述べた。

早川監督の印象についての質問に、石田は「“言葉にできない想いを映画にしているんです”と仰っていて、それが早川監督の作品を一番表しているなと、撮影を通して感じました」と答え、鈴木は「優しくて、ほわんとしてて、あたたかい太陽みたいな人」だと語った。
タイトルについて質問が及ぶと、「『PLAN 75』が割と作品の説明になるタイトルだったので、今回はそういうところから離れたいなと思い、作品の意味をタイトルに持たせたくなかったんです」と回答。また、「海外のメディアの取材を受けた中で、“この映画はいろいろなエピソードがあって、点がどんどん繋がっていき、全体像が見えてくる。そういったところが、印象派の絵画のようだ”と仰っていただいた。面白いなと感じましたね」と観客からの見解を嬉しそうに教えてくれた。