日本のメディアからは、国際共同製作というのがもたらしたメリットについて質問されると、プロデューサーの水野は、「今回の映画は、日本、フランス、シンガポール、フィリピン、インドネシア、カタールと皆さんの協力があって出来上がった作品です。もちろん資金の面での協力もありますが、それよりもクリエイティブな意味で非常に大きな協力関係を得られたと思います」と回答。早川監督の作品をプロデュースすることになった経緯について、水野は、「早川監督がシネフォンダシオン部門で『ナイアガラ』が上映された際に出会ったことがきっかけで、本作を入れて三度目のコラボレーションをさせていただいております。人間の魅力、在る姿を作り込むのではなく、非常にオーガニックに描き、在るがままに表現されるところに魅力を感じています」と語った。
また、ジェイソン(Jason)は「水野さんが仰ったように、私たちは長い間一緒に仕事をしてきて、その関係は映画を重ねるごとにより豊かで深いものになっています。私は、早川監督が真の作家主義の映画監督だと信じています。音やビジュアル、演出といった当然の要素だけでなく、ポスターやサウンドトラックなど細部に至るまで、彼女は全てにおいて、こだわり、携わっています。彼女のような、緻密なビジョンを持つ監督と一緒に仕事ができるのは光栄なことです。
そして、早川監督の映画を、私たちのすべてのパートナーと共に、同じチームとして世界中の観客に届けられることもまた大きな喜びです」と感謝を述べた。そして、クリストフ(Christophe)は、「以前から、水野さん、ジェイソンさんのことはよく知っていて、一緒に仕事がしたいと思っていました。彼らはクリエイティブなプロデューサーです。そして、日本とヨーロッパの架け橋をつくる能力があります。だから、本作のプロジェクトが効率的な国際共同製作になると確信していました」と語り、参加した理由を語った。