メインキャスト3人はメディアの取材に応じ、ジャッキーは『ベスト・キッド』シリーズに参加することになった経緯について、「若い頃に『ベスト・キッド』を観て、「なんでラルフ・マッチオなんだ?どうして僕じゃないんだ?僕だってできるのに!」って思ったんだ(笑)。数年後、ウィル・スミスから『ベスト・キッド』の新作をやるって電話がかかってきて、「それはいいね!」と答えた。でも、問題は―僕がもう若くなかったこと。するとウィルが言ったんだ。「違うよ。君には“ミヤギ師匠”をやってほしい」ってね。ちょうどそのタイミングで、僕自身も「もう自分はアクションスターではない」と観客に伝えたいと思っていた。ロバート・デ・ニーロやダスティン・ホフマンのように、“戦える俳優”になりたかったんだ。それが『ベスト・キッド』に参加した理由。観客に理解してもらうまでに10年かかったけどね!」と、2010年に公開されたリメイク版『ベスト・キッド』に出演した際の裏話を語ってくれた。

ラルフは『ベスト・キッド』最新作について、「スタジオと何度も話し合いました。コンセプトは理解していたんですが、その時僕はちょうど『コブラ会』の撮影真っ最中で、まだその物語を完結させているところだったんです。だから、ダニエル・ラルーソのストーリーがどう着地するのか、そして彼の進化がどこへ向かうのかを知る必要がありました。それで、舞台が3年後であるとわかった時、『コブラ会』を通じた小さな中年の危機を乗り越えて、ダニエルが“自分史上最高の状態”に至っていた、という着地点に納得がいったんです。そして、彼がミヤギ先生のような存在になりつつあり、自分の経験を、助けを必要としている少年に引き継いでいく…そんな要素があることに魅力を感じました」とドラマシリーズ『コブラ会』を経て、本作の撮影に満足のいく形で臨むことができたと話した。また、「ミヤギ先生がハン師匠を知っていたかもしれないという設定も興味深かった。ジャッキー・チェンとスクリーンで共演できるというのも本当に素晴らしい経験でした」と本作で実現した夢の共演にも喜びを語った。

ベンは主役として抜擢されるまでの道のりについて、「本当に大変でした。最初のオーディションから役が決まるまで2か月近くかかりました。世界規模でのキャスティングで、選考を通過するのをただひたすら待ち続ける日々です。最初のオーディションテープを送って、また別のテープを送り続けて…それから面接の繰り返し。正直なところ、あまりエキサイティングな体験とは言えず、吐きそうなくらい緊張しました(笑)でも、最終的には報われました」とオーディションの過酷さと、それを乗り越えた達成感を明かした。そして、憧れのジャッキー・チェンとの対面を振り返り、「ジャッキー・チェンに会った時、言葉を失ってしまったんです。僕は中国で育ったので、ジャッキー・チェンという存在は映画そのものと同義でした。まるでチャーリー・チャップリンに会ったような感覚で、彼は間違いなく映画史に名を残す存在です。でも、実際に会ってみると、すごく陽気でフレンドリーな方なんです」とジャッキーの人柄に、深い感動と喜びを滲ませながら語った。3人はファンからの熱烈な声援に応えながら、最後まで笑顔を絶やさずに会場を後にした。
