関根監督は一番苦労した点で「事実を曲げないことを大事にしていた。膨大な取材のもと事実を丹念に積み上げていく、フィクションを凌駕していく時代に生きてると思います。キャラクター造形まで事実が入っていたりして、気づかれないように演出するというか。 モデルの方がいるんですけど、それに近づけるのではなくて、皆さんが皆さんとしてその場に立っていたらどんな行動をとっていたかを撮りたくて、ある種のドキュメンタリーを意識しながら皆さんを見ていました。」と制作の裏側を語った。

キャスト・スタッフ一丸となって向き合って完成し、関係者に向けた試写会ではたくさんの方に見ていただき反響の声が多く届くなか、小栗は「試写を見てくれた友人や仕事仲間はいつも以上にしっかり感想をくれていて。しっかり見てくれているんだと感じました。色んな形の主人公がいて、みんなが主役という映画を作れたことが嬉しい。今現在も傷ついている人達がいる状況の中で誰かの目線で作る訳にはいかないという事を監督が貫いてくれたので、自分たちが正しいと思っているけれど正解というわけではない。その環境の中で役と向き合えたと思います。」と語った。森は「この船の外見をみて、旅をするための船だし、楽しむための船だったから、どこを漂っていても美しい船なんですよね。だけど、その中で起こるはずのないことが起きていて、自分が見ただけでは分からない非力さをこの映画を通して分かったと思いますし、どういうものを拾って生きるかが大事になるんだなと思いました。」と話した。窪塚は「たくさんの知人がこの映画を観てくれたんですけど、ほぼ全員がまるで自分が最初からこの映画に関わっていたように感じたし、日本中の人に世界中の人に見せるべきだと熱いメッセージをくれたんですよね。5年前に全員同じ経験をしていることがこんなに大きいんだと思いました。前向きな力に変ようって思えたと言ってもらえたので、6月13日に世界が変わるじゃないかなと思う映画に関われて幸せに思います。」と改めて胸の内を語った。
最後に、登壇者を代表して小栗が「みんなで良いこといっぱい言っちゃったので、すごい期待高まってるかもしれないけどちょっとハードルを下げて見はじめていただけたらと思います(笑)素晴らしい作品をご覧いただけると思いますし、今日初めて観てもらえることを嬉しく思います。」と挨拶しイベントを締めくくった。