バーチャルプロダクション撮影(スクリーンプロセス)の主なメリット
バーチャルプロダクション撮影のもう一つの手法であるインカメラVFX(被写体とCG背景をリアルタイムに合成)と比べ、準備期間や撮影費用を大幅に抑えられる他、さまざまなメリットがある。

- 時間や天候といった制約からの解放
夜明け前や日没直後の幻想的な光が差す時間帯(マジックアワー)のような一発勝負のシーンでも、何度でも必要な時間・回数だけ再現可能。時間や天候に影響されることなく、撮影スケジュールを立てることができるため、効率的な撮影進行につながります。

- 海外や架空のロケーションも、スタジオ内で撮影
ロケ地の移動は、LEDディスプレイに投影する映像を切り替えるだけ。出演者やスタッフの移動リスク、拘束時間を大幅に軽減しながら、1日の中で複数のシチュエーションを撮影できます。

- 自然な演技を引き出す視覚化された世界
従来のグリーンバック撮影と異なり、LEDディスプレイに投影される実際の映像背景を見ながら演じられるため、より自然でリアリティのある演技表現を引き出すことができます。

- 自動車撮影で発揮される自然な反射と映り込み
左右や天井のLEDディスプレイに映像を投影することで、自動車のボディや窓、ミラーへの映り込みを自然に表現。グリーンバック撮影後に行う本編集での合成作業を大幅に簡略化できます。

- 撮影現場でおおよその完成形を共有
実際の被写体と仮想空間の背景を同時に撮影し、被写体と仮想背景がリアルタイムで合成されるため、完成形に近いアウトプットをその場で確認できます。スタッフ、関係者全員とイメージを共有しながら撮影を進行できるため、編集段階での修正を軽減できます。

- 移動、美術セットに伴う環境負荷を削減
最小限のスタッフでLEDディスプレイに投影する映像を撮影するため、通常のロケ撮影のようなスタッフやキャストの大移動が不要になります。また、美術セットはLEDディスプレイの手前に必要最小限のものを配置。移動や美術セットの廃棄による燃料消費やCO₂排出量を大幅に削減できます。