1990年、映画の表舞台に彗星の如く現れた 54歳の新人監督、ヴィターリー・カネフスキー。 『大人は判ってくれない』と並び称される少年映画の金字塔 『動くな、死ね、甦れ!』でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人賞)に輝き驚愕のデビューを果たした彼は、その続編『ひとりで生きる』でカンヌ国際映画祭審査員賞受賞。そして3作目となる初のドキュメンタリー『ぼくら、 20世紀の子どもたち』では、 ソ連解体後の混沌としたロシアで社会から弾き出されたストリート・チルドレンたちの生きる姿や心の内をありのままに映し出し、世界に衝撃を与えた。この3部作は、自身もストリート・チルドレンで不良少年だった 監督の経験をもとに撮られたものであり、フランソワ・トリュフォー作品におけるアントワーヌ・ドワネルのように、主人公を演じるパーヴェル・ナザーロフと彼の守護天使的な役割を与えられたディナーラ・ドルカーロワを追った3部作でもある。映画と出会った悪童が起こした奇跡は、人生を揺るがす作品として人々の中で生き続けるー。

1991年制作のドキュメンタリー映画『ぼくら、 20世紀の子供たち』のデジタルリマスター版完成に伴い、同監督のデビュー作 『 動くな、死ね、甦れ!』とその続編『ひとりで生きる』を合わせた三部作を8月23日よりユーロスペースほか全国順次ロードショーが決定!三部作まとめての公開は実に15年ぶり。