能登で被害に遭われた観客を前に、⿅賀は「能登で地震があった後、なかなかインフラの整備が遅れているように思えて、僕は東京にいながら『どうしてだろう、なんでもっと早く県や国が動いてくれないんだろう』と思っていました。そんな中で次は⽔害が起きて、住んでいらっしゃる⽅はどんなに苦しい思いをされているんだろう、という想いがありました。そういった⽅々がこの映画を観て、少しでも先に向かって、この映画のタイトルにもある『⽣きがい』を持って能登を復活させていただければと思いますし、本⽇いらっしゃっている⾼校⽣の皆様も少しでも⼒になってもらえると、本当の復興に繋がるのではないかという思いがあります」と復興への想いを込める。

常盤は「震災を扱った映画なので、もしかしたら直視することが難しい⽅もいらっしゃるかもしれません。そういう⽅はご無理なさらないでください。ただ、映画というものには記憶装置という役割がありまして、今はまだ観られないかもしれないですが、今しか撮れない感情や景⾊を封じ込めておくことができるのが映画でもあると思うので、この後何⼗年も経って、震災のことを忘れられるようになる頃には、この映画はとっても貴重な資料になるかもしれません。私はこの映画は能登の⽅の魂を描いた映画だと思っています。併映されるドキュメンタリー「能登の声 The Voice of NOTO」で実際の能登の⽅の声を聞くことによって、その魂とは何だったんだ、ということの答えが⾒えてくるのかもしれないと思っています」と本作の重要性を語った。

宮本監督は「実はこの映画に出てくるセリフは、僕はほとんど書いていません。実際に聞いた⾔葉です。ボランティアセンターの⽅、ボランティアをやってきた⽅、テレビでのニュースでのコメント、能登に訪れた時に歩いていたおじいちゃんの⾔葉…⾊々な⼈の⾔葉を紡いだ映画なんです。⼈は急にいつでもいなくなるんです。それでも今⽣きていることはすごいことで、⼤切なことです。⽣きている限り、1回の⼈⽣を思う存分楽しんでほしい、そういう思いを込めてこの映画を作らせていただきました」と映画に込められたメッセージを呼びかけた。

本⽇は、この会場にお越しいただいている⽇本航空⾼等学校⽯川の皆様から「今、能登に必要なもの」「未来の能登に必要なもの」を事前に募集。これからの能登に必要なものとして「元気と明るさ」「テーマパークがほしい」という意⾒が出ると、宮本監督は「 “この場所だからこそ出来たもの”が良いですよね。この能登だからこそ出来るもの。キリコ祭りなど、⼈がエネルギーを出せるものってすごいと思うんです。例えば、⾼校⽣が作る新しいお祭りとか…『能登ならではのものを作っちゃおう!』なんてことをやってもらえると、僕たちは嬉しいかな。震災はあったけども、⽇本はこの⾃然と共に⽣きてきたので、これを乗り越えて次に繋げられたら嬉しいですね」と、観客と共にこれからの能登を⾒つめた。

最後に⿅賀は「『⽣きがい』というタイトルの映画です。⼈が⽣きている上で⼀番⼤事なこと、それは『⽣きがい』ですね。若い皆さんも⼀⼈⼀⼈⽣きがいを⼤事にして⽣きていただけたら嬉しいと思います」と締めくくり、能登への熱く真摯な想いが語られたイベントとなった。

1 2 3

4

5 6

RELATED

PAGE TOP