オファーを引き受けた理由について堤は「舞台版の脚本を読んだ時は木の上でのセリフ劇だったので映画にしたらどうなるものだろうかと不安だったけれど、平監督による脚本を読んだら見事に映画になっていた。舞台版を崩すことなく素晴らしい脚本で、これはやるべきだと。そしてやって良かったと思ってます」と心境を告白。広島出身の山田は「戦争の悲劇についてはもちろん心の片隅にはあるけれど、日常を過ごしていたら忘れてしまいがち。この映画を観ると、戦争の映画ではあるけれど、家があること、食べられること、水があること、それがどれだけありがたい事かを感じられるはず」と述べた。

沖縄、そして実際に伊江島で1年以上をかけてガジュマルの木を植樹して撮影を敢行。堤は「僕は今年60歳ですが、ガジュマルの上に登って見る景色は綺麗でした。ここに守られているという感覚はあの木ではなければ生まれなかったもの」といい、山田も「3、4日経てば二人してスルスルと登って自分たちが座れるところ、寝転がれるところを自然に探していました。モデルとなった実際のお二人もガジュマルの木に対して家のような感覚を持っていたのではないか」と追体験。平監督は「この作品はウソのない映画で、本当の物語があって、ほとんどのロケを沖縄の伊江島で出来た。撮影中にはガジュマルを一時保管する場所で、戦争で亡くなったとみられる方のご遺骨が出てきました。改めて僕らが撮っている現場は戦争の現場だと思った。そこで撮っている事で得られる力はあると思ったし、それが映画の大きな力になっています」と実感を込めた。

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