堤と山田は意外なことに初共演。山田について堤は「嘘のない人だし、真っすぐでスタッフからも愛されている。彼は減量のために干し芋ばかりを食べていたので、撮影が休みの時は一緒に食事をしたり、現場ではくだらない話をしていました」とすっかり意気投合。山田も「堤さんは凄くフランクで僕よりお喋り!」とまさかの事実を暴露し「僕の方が聞いている事の方が多かった。撮影終わりの車中で『今日はコンビニに行くタイミングだよな?』と聞いてくれるのも凄く嬉しかった」と気配りに感謝すると、堤は「どうしてもお酒を買いたかったから」と照れ笑い。コンビニには役衣装のままで入店したそうで、山田は「日本兵が現れたと思われたはず」と懐かしそうに思い出していた。

最後に平監督は「沖縄では本日は『慰霊の日』といって正午に一分間の黙とうを捧げます。僕らスタッフ一同も黙とうをさせていただきました。沖縄の戦争映画には辛い悲しい苦しいイメージばかりが付いていると思ったので、僕はこの映画を面白いものとして色々な方々に届けたかった。沖縄では小さいお子さんから大人まで色々な世代の方がリピーターになってくれています。本日より東京から全国に発信したいと思っておりますので、是非沢山広めてください」とアピール。
山田は「俳優の仕事を通して、歴史上の事を伝えられるというのは重要な意味があると感じながら本作に携わらせていただきました。生きようとする思いが誰かに伝われ!と思いながら撮影をしていました。戦争ものと聞くと敬遠する方もいると思うけれど、今日こうして逃げずに本作を観てくださった方々に感謝です。年齢制限がないので戦争を知らない世代にも伝えていける作品になると思います。生き残った実話をベースにしたお話しなので生きていく力を沢山の人に渡せたらと思っています」と呼び掛けた。
二児の父親である堤は「この映画を通して戦争の悲惨さはもちろんの事、生き残る大事さを感じました。僕がここにいるのは生き残ってくれた方々がいるからこそ、今ここにいるんだなと。僕には小学生の娘が二人います。僕はあまり自分の映画を娘たちには見せませんが、これは見せようと思います。小学生でも観れますので、戦争の事を知るためというよりも、生きることの大切さが伝えられると思います。『木の上の軍隊』は子供たちにこそ観てもらいたい作品です」と未来を担う子供たちに想いを託していた。