別の学生からは「おふたりの将来のビジョンは?」という質問も。山元監督は「この映画で日本アカデミー賞にいきたいです」とキッパリ。「賞というのは映画を頑張ってつくったことへの副産物だと思うんですが、形として残るのは嬉しいことです。日本だけでなく、海外の映画祭、たとえばベネチアとか、カンヌとかに行きながらも、ちゃんとエンタメをつくれる監督になりたい。ただ自分はコメディーが得意だから、コメディー監督になるんだと決めてしまうのはちょっともったいない。自分が思うよりも、人からはもっと多面的に見えてるところもあると思います。僕だって不倫のドラマばかり撮っていたのに、プロデューサーチームから、めっちゃ青春の映画なんだけど撮らない?というオファーをいただきました。君の演出が良かった、コンセプトがしっかりしていたから今回の映画もできるんじゃないかと言って声をかけてもらえたので、どれだけ固まらずに立っていられるか、柔軟に動けるようにすることが重要だと思います」と語る。

対する森野は「将来的に自分がやりたいのは、人生でこれが好きなんだよね、というものに選ばれたいんですよ。あれで人生変わっちゃった、と言ってもらえるような作品をつくりたいです。もちろん賞もほしいですし、賞っていいものをつくったよねとチームが称えられるものだと思う。だから賞もほしいというのはありますけど、一番は一生懸命書き続けることです」と自身の信念を伝えた。

ここで会場にはサプライズで黒川想矢と星乃あんなの出席がアナウンスされると会場の学生たちも驚いた様子。中には「ファンなのでドキドキします」という人の姿もあった。そんな中、あらためて登壇者たちに質問を投げかけることになった。コロナ禍の学生生活を中心に描いているということもあり、本作の劇中では多くのシーンで俳優たちがマスクを着用していることに対し、当の俳優陣はどう感じていたのか。黒川は「衣装合わせの時点で、マスクをするから顔の下は見えないよというのは、監督と、天音さん(星乃)と話していたけど、ただあまり意識はしてなかった。どちらかというと顔で演技するというよりは、指先や身体で演技をする方が僕にとってはしっくりくるので。顔で演技をするということは考えてなかったので、僕はいつもと変わらずでした」と語ると、星乃も「この映画では目で演技をすることがわたし的には重要かなと思っていました。望遠鏡を覗いていて、星を見つけたという時の目に光が入る感じ。目だけで分かる演技を心掛けました」と振り返った。

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