またこうした作品に関わる上で、「惑星や星の知識は勉強しましたか?」という質問もあり、「僕は宇宙が大好きで、この役が来た時も運命かと思うくらい嬉しかった」と語る黒川。「撮影に入る前に、星についての勉強会をやりました。東京・茨城・長崎って離れていると思うんですけど、その時だけキャストが集まったんです。その時があったから繋がっていられたというか、みんなが同じ熱量で芝居ができたのかなと思いました」と述懐。星乃は「わたしは幼少期から宝石とか、星とかキラキラしたものが好きだったので、その気持ちのまま演技に挑んでいました。また、幼稚園か小学校の時に買った図鑑が作中にも出てきた図鑑とまったく同じものだったんです。その図鑑を見て、自分が気に入った星に付箋を貼ったりしてたので、台本を読んでいたり、現場の雰囲気で演技をしたりする時に、その時のワクワク感が蘇ってきました」と語った。

コロナ禍の自粛期間中を振り返り、「コロナだと嘆くのではなく、コロナだったからこそできたことはあった?」という質問も。それに対して、「いきなりすぎて、状況が理解できませんでした。趣味とかも見つけられなくて、ずっとスマホゲームしかしていなかった。今、ギターを練習しているんですけど、自粛期間中に練習をしてれば今ごろ弾き語りもできたのにと後悔しています」と語る星乃。一方の黒川は「僕は餃子が本当に好きなのですが、当時は餃子づくりにハマってました。今は餃子づくりが上手だと思います」と明かし、会場を沸かせた。
さらにトーク中は、高校1年生である黒川、星乃から、現役大学生たちに向けて逆質問をぶつけるコーナーも。まずは黒川が「アルバイトをしてみたいのですが、オススメがあれば」と質問すると、「いまわたしはサウナでアルバイトしているのですが、暇な時間にはテレビを見たりすることもできるし、めっちゃ楽でオススメです」との回答が。すると、「僕もお風呂屋さんで働いたことがあるんですよ。けっこう時間がありますよね」と共感している様子の山元監督。その言葉を聞いた黒川も「いつかサウナ屋さんでお会いした時はよろしくお願いします」と返し、会場から拍手を送られた。
一方の星乃は「高校生になって、友だちと遊ぶことが増えてきたんですが、お小遣いじゃ足りなくなくなってしまいます。金欠の高校生が楽しめる方法を教えてほしいです」と質問。それには「食事の持ち込みオッケーで、高校生の料金が安くなるカラオケチェーン店があるので、そこでみんなで割り勘をしてパーティをすればそんなにお金がかかりません」という現実的なアドバイスがおくられた。まさに同じチェーン店を利用していたという星乃は、「そこでご飯を注文したら、3人で1万円くらいかかってしまったことがあったので、今度は持ち込みます」とアドバイスをしっかりと受け止めてる様子だった。
学生たちとの交流を果たした登壇者たちを代表して、最後に山元監督が挨拶。「ちょうど2020年の頃って、皆さんは高校生くらいですか?映画の中でもありましたが、コロナ世代だと呼ばれて、あの時の大人たちのやり方に右往左往させられて、惑わされたと思うんです。ニュースでもかわいそうとかいうレッテルを貼られたりしたこともあったけど、その中でもあきらめずに元気な状態で、大学でもがんばっている。そういう世代のことをブレイブジェネレーション、勇気のある世代と呼ばれているんですよね。その思いを込めた映画です。コロナだからさみしい、悲しいではなく、コロナだから前に進めるような子たちが日本にいるよという思いを込めたので、皆さんのエネルギーをもって、SNSや友だちに伝えてもらえると、この映画のようにきれいな輪が広がっていくんじゃないかなと思います。ぜひこの作品をごひいきによろしくお願いします」と呼びかけた。
