太田光と岩井俊二が敬愛する高畑勲の存在とは

「2人にとって、高畑勲の存在とは?」と聞かれた太田は、「名前を意識したのは大人になってからだけれど、それ以前に作品を通して自分の中に体験としてある原点。すでに名前を知る前から自分の中にいた人」と表現。岩井は「ずっとその背中を追いかけて、高畑イズムを信じていれば間違えることはないと思える存在。高畑さん自身を学びきるのには、まだまだ足りない。どんな“モノ作り”をして来られたのかを何度も探求したい存在。我々世代にとっては歩みを共にして来られた素晴らしい映像作家です」とリスペクトを示した。

戦争反対の映画ではないとの言葉
我々は改めて問い直されている

戦後80年の節目もあり、本展ポスターには『火垂るの墓』(88)のイラストがあしらわれています。太田は「高畑さんは戦争体験をした中で、単に戦争反対という言葉の中にこの作品を閉じ込めてほしくないという思いがあったのではないか。高畑さんの『戦争反対の映画ではない』という言葉は重い。今我々に改めて問い直されているような気がする」と感想を述べた。

高畑勲の代表作のひとつ、映画『火垂るの墓』の展示コーナー。アニメーション作りの真髄に迫った本人直筆の原画や絵コンテほか、初公開となる資料などを多数紹介。

『平成狸合戦ぽんぽこ』の展示コーナー。壁一面を覆うのは、本作のタイトルバックにも使われたマンダラ。劇中では “化学(ばけがく)”を講じるシーンに登場。

会場併設のカフェ内に設置された、名作アニメ映画『パンダコパンダ』の本展限定フォトスポット。
パパンダの大きくて柔らかいお腹に乗って撮影できる。

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