この度、6月28日、池袋HUMAXシネマズにて公開記念舞台挨拶が開催され、主演の新原泰佑、共演の向里祐香、新帆ゆき、メガホンを取った小南敏也監督が登壇した。

主人公・灰野勝彦役を務めた新原さんは、同作が長編映画初主演。舞台でも高い評価を受け、第34回読売演劇大賞・杉村春子賞を受賞するなど、いま最も注目される若手俳優のひとりです。まず、演じた勝彦との共通点を聞かれると「見るからに自分とは違うんですけど(笑)」と笑い、「僕自身はワチャワチャと男子と群れるようなタイプでも運動部でもなく、ずっとダンスをしていました。部室に入ったこともなかったので、ラグビー部という設定を含め、初めての経験を結構させていただけて、改めて高校時代を追体験しているようですごく新鮮でした」としみじみ。続けて、役作りについて「衣装合わせのとき、監督に『あまり作り込まないで、その場で感じたことを勝彦としてせりふに乗せていいですか』とお話をさせていただいたら、『ぜひそうしてほしい』と言ってくださったので、あまり役作りはせず、向里さんや新帆さんといったすてきなキャストから受けるものを、勝彦を通してお返事していたっていう感じでした」と話しました。

勝彦の家に下宿する謎めいた高校教師・伊沢役を演じた向里さんも「結構(伊沢とは)違うと思う」と言い、「強いて言えば、高校生のときは生物の資料集が好きで。切っても2つになるプラナリアのことをすばらしいと思いながら、休憩中に見ていたりしたので、ちょっと重なる部分はあります」と明かしました。しかし、私生活や服装などは自身と異なっていたそうで「がさつな感じを視覚的にどう見せられるか。メガネをかけていたので芋臭さは見るからに出ていたと思います。そのうえで、がっ!と相手のことを見るより、目を細めてあまり人と目が合わないようにする。そういった細かい部分を試行錯誤しながら演じていました」と役作りの裏側を口にしました。

向里さんとは対象的なヒロイン・玲子役を務めた新帆さんは、同作が映画初出演。「もともと⼭本直樹さんの漫画が好きだったので、ヒロイン役をやれることはうれしかったんですけど、すごく緊張していました。そんな状態でしたが、山本さんが描く女の子は、ほしいものが明確なところがすてきだなといつも思っていたので、自分も(ほしいものを)持てたらいいなと思いながら演じていました」と感慨深げな表情で語りました。

さらに「玲子はすごく怒るんです(笑)。自転車を投げたりして」と切り出すと、新原さんは「監督のチャリね。あれ、私物なんですよ。休憩中にちょっとしょんぼりしながら直してましたよね(笑)」と裏話を披露しました。

映画初出演にして、感情を表に出すシーンも演じた新帆さんは「そこまで怒ることはないので『どうしよう……』と思いましたが、それも含めて楽しい時間でした」と充実した表情を見せていました。

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