そして、この3人の印象を問われた小南監督は「新原くんが衣装合わせのときに『深く考えずに現場に臨んでもいいですか』と言ってくれてすごくうれしかったです。勝彦は考えて演じるキャラクターではなく、他の役者さんとやる中で感じて演じてくれるほうがいいと思っていたので。向里さんは、事前にシュミレーションして役を作ってきてくれていたので、現場では僕に伺うこともなく、段取りのときに『どうですか!』とぶつけてくれました。こちらが想像していた先のことをやってくださったので『これは面白くなるぞ』って思いましたね。新帆さんはすごく真面目で、衣装合わせのときに彼女の台本を見たときは、すごい量の書き込みでびっくりしちゃいました。初めて映画に出られるってことで、悩みながらやられていたと思います。いい意味で『私はここ止まりだ』ってことを決めずにやられていたと思うんですけど、底を決めずに最後まで自問自答しながらやってくださっていたのが、ちゃんと画に反映されているなって思います」と述べました。

この日は、現場で印象に残っていることについてトークをするひと幕も。新原さんは、向里さんと新帆さんとでは「進め方が全然違いました」と告白し、「玲子とは『ここはこうしよう。こっちのパターンもあるんじゃないか』と話し合いながらやっていきましたが、伊沢さんのときはすべてフィーリングっていうテンション。『そうきたか。じゃあこう変えないといけない』といったようにてんやわんやで。勝彦はボケーっとしていますが、新原としては『やばいやばい!』って感じでした(笑)」と振り返りました。

新帆さんは、新原さんと共演したことで「お芝居という部分で学びになったことが多かったです」と感謝し、「カメラの位置を意識できていなかったとき『こっちを向くと顔がよく写るよ。表情がよくわかるようになるよ』など実践的なアドバイスをしてくれました。それに、本当に明るい方で、現場を心から楽しんでいる姿がすごくすてきだなと思いました」と羨望の眼差しを向けていました。

これに、新原さんは「楽しいですもん!」と笑顔を見せ、「(新帆さんは)本当に繊細にお芝居を作ってくれる方なんです。今回はインティマシーなシーンが多かったですが、僕に隠れているときの顔が素晴らしすぎて『これはお客さんに見せないとダメだから、カメラを逆にしましょう!』とお願いしたこともありました」と演技力を絶賛していました。

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