ここでサプライズとして、原作者の辻村深月氏の登壇が告げられると、桜田たちは驚きながらも大喜び。辻村は星座があしらわれたワンピースを着用し、「今日という日を迎えられて、とても嬉しいです。皆さん、私の書いた各キャラクター達がほんとにお世話になりました」と登壇者へ感謝を伝えた。また、「俳優の皆さんにマスクを着けてもらわないといけないので…この小説はなかなか映像化できないと思っていました。でも今回、山元監督やプロデューサーの皆さんに実写化していただき、嬉しかったです。映画を拝見して、驚いたのですが、マスクをしていても皆さんが何を思っているのかが伝わる映像になっていました。桜田ひよりさんの目に星が宿っているように見えましたよね」と喜びを溢れさせ、「撮影現場にも立ち会わせていただいたいのですが、自分が書いたキャラクターが前からそこに居るというぐらいに存在していて、嬉しかったです。観終わったとき、最初に浮かんだ感想は“かっこいい”でした。原作以上にスターキャッチコンテストのシーンで身体能力が発揮されていて、競技としてかっこよく描かれていました」と振り返った。桜田は「スターキャッチコンテストのシーンはスポーツのようなイメージで迫力とキレを意識して撮影に挑みました。かっこいいと言ってもらえて嬉しいです」と話し、「実際にモデルになった高校で撮影させてもらえることも滅多にないですし、沢山の方々の協力があって完成した作品だと改めて実感しています」と撮影時を懐かしんだ。
また、原作のどういった点に惹かれて映画化したのかという質問には、「キャラクターたちのみずみずしさ」を挙げ、「辻村先生の書かれた文章の一文一文をすべて映像化したいという信念を持って挑みました。マスクをしていることでお芝居に制限がある中、キャスト全員が真摯に撮影に参加してくれたおかげで映画を完成させることができました」と山元監督は感慨深げに答えた。
辻村は「小説もですが、映画も観てくださる皆さんが居て、初めて完成するものだと思っているので、今日は観に来てくださって嬉しいです。ありがとうございます」と感謝を伝え、山元監督も「2020年のコロナを経たからこそ、作ることができた作品だと思います。ここにいる皆さんもキャラクターと同様に、あの頃から一生懸命、前に進んで生き抜いてきたから今日があります。皆さんのちょっとした隙間に光を照らしてくれるような作品になるといいなと思っています。ご覧いただき、ありがとうございました!」と改めて思いを伝えた。
最後にキャストを代表して桜田が「辻村さんが描いてくださったキャラクター達ひとりひとりが魅力的で愛される存在の作品だと思います。そんな役を背負って作品に参加できたことが光栄でした。去年の夏、暑さに耐えながら撮影をしたのが懐かしいです。観てくださった方々にしか伝わらない熱量を持った作品になっていると思いますし、作品が抱えている大切なぬくもりが広がっていったら嬉しいです。何度でもスクリーンに足を運んでいただけたら」と観客へ思いを託した。
