意外なことに本作が初共演だった竹野内さんと玉木さん。竹野内さんは「役柄上、現場で多くことを語ることはなかったものの、鍛え上げられた体格や響き渡る声で、はじめから先任伍長として存在されていた」と初共演の印象を振り返った。玉木さんは「ご一緒する前から物腰の柔らかな、穏やかなイメージがあったが、現場でご一緒して改めて繊細な優しさを持っている方だと感じた」と明かし、「イベントの会場に向かう途中の車でも、エアコンの風がみんなに届くよう、一つひとつ吹出し口を調整してくださっていた」というエピソードで会場を和ませた。

直接の上司と部下として対峙するシーンが多かった玉木さんと奥平さん。奥平さんは印象的なシーンとして艦(ふね)の点検をしながら初めて二人きりで話すシーンを挙げ、「対人間として話をしている心地よさがあった。言葉にするのが難しいような不思議な絆があった」と早瀬と井上の関係性を振り返った。そんな奥平さんに対し玉木さんは「本作は早瀬が井上を助けるところから始まり、井上の心の変化を感じることができる作品になっていると思う。奥平さんの真っ直ぐな人柄と相まって、井上がとても魅力的な人物として存在していた」と賛辞を贈った。そんなお二人を艦長として見守っていた竹野内さんは「雪風の乗員たちは、たとえ上官相手であっても意見や冗談を言えるような、良い関係性を築いていたのだと思う。それは相手に対する敬意を持ちながら、自分の信念をもっているからこそできることであり、それは現代においても大切なことだと感じた」と語った。

艦長として、⼠官たちとの穏やかな会話から一転、戦闘が始まると的確に指示を出す必要があった竹野内さんは、撮影前に横須賀基地に伺って護衛艦『やまぎり』の見学をしたそうで、「模擬戦闘の模様を拝見する中で知った、戦時中から受け継がれている号令をかけるときのイントネーションを参考にした」と役作りの一部を明かした。また緊迫した戦闘シーンだけでなく、水雷員同⼠の和気あいあいとしたシーンもあった撮影現場について、玉木さんは「戦火の中の厳しい時間もある一方で、若者としての過ごす時間は現代の人ともそんなに変わりのないものだと思った。その緩急をお芝居の中で見せられたらと思っていた」と語った一方で、奥平さんは「水雷員のキャストにサディスファクション・渋谷さんという芸人さんがいらっしゃって、その方がすごい数の一発芸を見せてくれた」という、活気に満ちた船員たちのシーンの裏側を明かした。

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