NHK 連続テレビ⼩説「まれ」への出演で能登を訪れて以来、「第⼆の故郷」と⾔うほどの思いを能登に対して抱いているという常盤は、1⽉の震災から少し時間を置いた3⽉に「まれ」で知り合った仲間と共にボランティアとして能登を再訪し、その後も何度も⾜を運んできた。「(復興には)いろんなフェーズがあって、この映画のお話をいただいた頃は、みなさん“⽣きがい”を求め始めている時期で、この場所で映画の撮影をしてくださったら、『いま、能登で映画の撮影が⾏われている』ということがみなさんの希望になるんじゃないかと思いました。私がボランティアに⾏く中で、そういうことをやってもらいたいと思っていた時期だったので(宮本監督のオファーが)本当にありがたいなと思い、監督の思いをなんとか繋げたいと参加させていただきました」と明かす。

⽯川県では全国公開に先んじて6⽉20⽇より先⾏公開がスタートしており、登壇陣の元にも反響が届いているよう。⿅賀は「僕がびっくりしたのはご覧になった⽅が『号泣した』とおっしゃっていたこと。災害を思い出したり、現状の復興を考えたりして、スクリーンの中で(⿅賀が演じた)⼭本信三という男がどうやって⽣きて、再⽣していくかというプロセスをご覧になって号泣したのかなと思います。みなさんもどういうふうにご覧になったか感想をお聞きするのが楽しみです」と笑顔でうなずく。
常盤も「やはり『号泣しました』『始まってすぐ涙が⽌まらなくなった』と⾔ってくれた⽅がいて、どこに感動したかというと、『1⽇や2⽇ではこの映画の内容を感じることはできない』と。それくらい、宮本監督が能登の⼈たちとの交流を深めて、それを映画にしてくれた思いが嬉しいと⾔っていました」と嬉しそうに明かした。
宮本監督の元にも様々な声が届いているそうで「お⼿紙をいただいた中で『おかげでまだ頑張れると思います』という⾔葉をいただいいた時はグッとくるものがありました」と語る。あれだけ災害が続いて、⼼が折れていくということは当然あると思うし、突然、家がなくなり、未来がなくなるということはいつどこで起きてもおかしくないわけです。その時、どうやって何を⽬的に⽣きていけばいいのか︖ きれいごとで『希望はある』なんて⾔えませんが、⼈と⼈が出会うことで、⽣まれることがあるという映画です。『頑張れる』という⾔葉をいただいて『あぁ、映画をつくってよかった』と思いました」としみじみと語っていた。
宮本監督は当初、「最⼤限静かに粛々と迷惑をかけずに」との思いで撮影していたそうだが、むしろ被災者の⼈々が積極的に喜んで撮影を⼿伝ってくれたという。(⼿伝ってくれた被災者の⼈たちは)⼀⽇でも、⼀瞬でも⼈と交流できたことを喜んでくださって『亞⾨さん、やることがないことが⼀番つらいのよ』と⾔ってくださって、こちらが勇気づけられることが多かったです」と明かす。
常盤も「撮影中、⿅賀さんが住んでいた家の隣の家の⽅が温かいスープを作ってくださって『みんなにあげたいんだけど、毎⽇作ったら迷惑でしょ?』とおっしゃるので『全然迷惑じゃないです。ありがたいです!』と⾔って、作っていただきました」と嬉しそうに思い出を語った。