まずは、事前に応募したファンから寄せられた質問に答えるトークセッションを実施。「新章の監督として抜擢された時のお気持ちはいかがでしたか?」という問いに対し、ギャレス監督は「デヴィッドから脚本が送られてきましたが、撮影を終えたばかりで休暇が欲しく、最初は断ろうかと思っていました」と初めは受ける気がなかったことを告白。「でも、読み終わったら素晴らしすぎて、絶対にこの映画を作りたいと思いました。次の日にプロデューサーのフランク・マーシャルと会って、準備していたビジュアルのリストをプレゼンすると、“明日スピルバーグに向けて同じことをやってくれ”と言われてドキドキしました。次の日にスピルバーグへプレゼンして、彼が気に入ってくれているのか心配でしたが、褒め言葉をもらって、そこで死んでもいい!と思うくらい嬉しかったです」と人生最高の瞬間であったことを振り返り、貴重な話に観客は熱心に耳を傾けた。
また、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』から約28年ぶりのカムバックを果たしたコープは、「シリーズに再び関わることになった理由や経緯は?」という質問に対し、「私は32年前にいまのギャレス監督と同じような状況が起こりました。この本を読んだあとに、どんな内容の作品ができるかをスピルバーグへ伝えてほしいと言われ、私も眠れない夜を過ごしました。今回、スピルバーグから『良いアイデアがあるからまた恐竜映画をやらないか』と声をかけられ、数カ月をかけてやりとりをしました。そして、これだ、やろう!と決定したのです」と、スピルバーグとのやりとりと制作の経緯を明かした。

このあと日本最速で映画を鑑賞するファンに向けて、特にこだわったシーンについて問われると、ギャレス監督はここ日本が最後のプロモーションの地ということで、とっておきのエピソードを披露。「実は、本編中に命を落としそうになったシーンがあります。あるシーンをヘリコプターから撮影していて、クローズアップで撮るために『もっと低くして!』と言っていたら船にぶつかりそうになり、パイロットが慌てて高度を上げて助かりました。どのシーンか見つけてください!」と、身の危険を顧みずに撮影したという特別な裏話を語った。
さらに、特にこの熱心な日本のファンに向けて、特別なエピソードや思い出を聞かれると、デヴィッドは「スピルバーグは、監督としても製作者としても100本以上の作品を手がけています。多くのインスピレーションをあたえてくれる方で、今回の特別なエピソードは彼の意欲を日々感じられたことです。朝起きると、37通ものテキストメッセージが来ていて、それは素晴らしいことですが、同時に膨大な作業が発生して疲弊することでもありました。たとえ時差のある場所にいても、まるで蜂のようにメッセージを送ってくれるほど、多くのアイデアを生み出してくれます。それは20代の頃から50年経っても変わらないことが素晴らしいです」とスピルバーグの計り知れないバイタリティを強調した。ギャレス監督は「スピルバーグは唯一無二の存在です。魔法が使えるマジシャンだと思うしかありません。彼がマスターピースと呼ばれるオリジナルを撮っているのに、僕がシリーズの続編を撮っても、同じことができるのかと思いました。でも、新作のポスターに監督として別の人の名前が載っていたら生きていけないので、やるしかないという気持ちで臨みました」と笑顔で振り返り、会場は温かな雰囲気に包まれた。