トーク後半では、吹替キャストから監督・脚本家へ質問コーナーを実施。松本から、「ハリウッドを代表するオールスターキャストとの共同作業」について聞かれると、ギャレス監督は「キャストやスタッフがとても親密になりました。実際のジャングルや滝、沼で撮影をして、1日中水に浸かって撮影がありました。実はトイレに行きたくなると30分移動しないとなりませんでした。でも、沼での撮影中は誰もトイレに行かなかったんです…」と意味深な撮影時のエピソードを明かしてくれた。

吉川からは、「登場する恐竜の選定基準」について訪ねると、ギャレス監督は「俳優さんを選ぶのと同じで、面接して契約を結ぶんです。その時にTレックスやティタノサウルスに“きみがスターだよ”と言います。脚本家のデヴィッドが選んでいる部分もありますね」と冗談交じりに語った。それについてデヴィッドは、「先ほど自分が物を書くときの基準と同じように、どういう恐竜を選んでいいか、どういったものをしばらく見ていないか、一度も登場してないかということを考えています。また、皆さんの期待がありますが、矛盾することもあります。もっと人気の恐竜を見たいけれども、リピートはだめだという意見もあるので、人の配役と同じように考えています」と貴重な制作の裏側について明かした。

楠から「影響を受けた日本文化」について問われると、デヴィッドは「特に映画の作り手の中では、黒澤明から影響を受けない人はいないと思います。彼は映画界のシェイクスピアです。他には、小津安二郎の作品や、『ゴジラ-1.0』を観た時はとても爽快で刺激的な作風に影響を受けました」と日本の映画監督や作品についてコメント。日本の文化が本当に大好きだというギャレス監督は「日本に来ると別の世界にきたような気持ちにさせられます。アメリカと日本はお互いの文化をインスパイアしあって、一緒になるとDNAがミックスされて、より良いものが生まれると思います。お互いに影響しあっていると思います」と日本へのリスペクトを込めて語った。
