この度、ダブル主演の堤真一と山田裕貴の撮影現場での姿や、ガジュマルの樹上撮影に挑む監督やスタッフの奮闘など、本作の制作舞台裏に迫る貴重なメイキングドキュメンタリー番組の映像が解禁!

堤と山田が演じたのは、太平洋戦争末期の沖縄県伊江島で終戦を知らぬまま2年もの間、木の上で生き延びた実在の2人の日本兵をモデルとした役どころ。撮影は全編約1ヶ月に渡る沖縄ロケ、舞台となった伊江島での撮影が大部分を占めた。

メイキング映像は、そんな本作のクランクインを前に、堤と山田が安全祈願を行い、髪を剃り上げ坊主頭にする場面から始まる。堤が「(丸刈りにするなら)あんなでっかいシャンプー持ってくるんじゃなかった」とスタッフを笑わせる一幕も。

撮影に入る前に、当時、実在の日本兵たちが登った“ニーバンカズィマール”を訪れた際には、2023年の台風で一度倒木してしまってはいたが、歴史が刻まれたガジュマルの木を前に2人は圧倒された様子。堤が演じた少尉・山下一雄のモデルとなった山口静雄さんが最初に身を隠した木は現存しており、その木の看板を見た堤は「父の名前が字も同じで静雄です。(役名の)山下は母の旧姓」と運命的な巡り合わせに驚きを隠せない。さらに、撮影の主な舞台となる巨大な1本のガジュマルの木と初対面すると、実際に生い茂るその生命力に感嘆。これは、本作の撮影のために、2本のガジュマルの木を植樹し、実際に伊江島の地に根付かせたものだった。まさに“もうひとりの主役”といえる大きな存在で、堤と山田もその樹上で演技を積み重ねていくうちに、不思議と落ち着き、居心地の良さを感じていたことは、ふたりのインタビューや現場映像を通して浮かび上がってくる。

また、山田は「虫は嫌いなものの中でも一番嫌いです。虫の仕事は全てNGにしてるんで…」と樹上もロケ地も虫だらけの撮影に苦戦。食料にするためにカマキリを捕まえるシーンでもギリギリまでトライしたものの「ごめんなさい。無理…」とスタッフに平謝りして笑いの渦に。だが、ガジュマルに宿る不思議なパワーのおかげか、虫にも徐々に慣れていき、飢え死に寸前で自分の傷口に湧いたウジ虫を食べるシーンでは、生きた本物のウジ虫を食べるまでに飛躍
する見事な成長ぶり。もちろん当初は小麦粉で作った偽物のウジ虫が用意されていたのだが、自ら「(本物を)食べます」と志願。その理由は「(実在した2人の兵士が)直面した過酷な現実を少しでも感じたかった。そうしなければ生きられなかったと思う。(演じる上で)嘘をつきたくなかった。」と語る。

さらには、脚本を執筆するにあたり、多くの沖縄在住の戦争体験者に取材し、たくさんの体験談を聞いた平一紘監督の姿からは、今この映画を作る意味、沖縄の土地と歴史と向き合う覚悟がうかがえた。

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