また劇中でのソテツを食べる場面について平監督が「サバイバルな状況の時のために、この映画を観てソテツの食べ方をしっかりと覚えておいてほしい」とジョークを飛ばすと、堤は「でもマズかったです!」とぶっちゃけて、山田も「堤さんの本当の『オエッ!』というのを初めて聞きました」と苦笑い。そんな山田は本物の蛆虫を食べたが「物凄く薄味にしたアサリみたいな味。昆虫なのに海洋生物感があった」と意外な感想を漏らして会場を驚かせた。一方、堤はガジュマルの木の上のスペースに触れて「僕が演じた山下一雄は上官のはずなのに、安慶名のスペースの方が広い!」とぼやいて笑いを誘っていた。

また公開までのプロモーションで印象的だったことを聞かれた堤が「山田君のラジオの収録に出たこと。オールナイトニッポンに初めて出ました」と答えると、山田は「7月28日の深夜1時から3時です。皆さんマジで聴いた方がいいです。堤さんの言葉が凄すぎて本当に感動して、もはや堤さんのオールナイトニッポンで僕がゲストかのような気持ちになった。すべての生きる人に語り継ぎたいラジオです。本作のテーマと一緒です」と猛烈にPRしていた。

舞台挨拶終盤には本作のモデルとなった山口静雄さんの三女・平春子さん、佐次田秀順さんの次男・佐次田満さんからサプライズでメッセージが届いた。

「平監督、堤さん、山田さんが、この作品に対して並々ならぬ覚悟と熱意をもって取り組んで下さった事、TV のインタビューや新聞記事等で拝見する度に感謝の気持ちで一杯です。特に堤さんが様々な取材の中で父に対する配慮の言葉をかけて下さる事が何より嬉しかったです。皆様の熱意が多くの人の心に届く事をお祈りいたします」(平春子さん)

「軍服姿の山田裕貴さんとお会いし、お父さんに会えたと思い、思わず抱きしめてしまいました。軍服の堤さんをみた姉は父が帰って来た時にみた父の軍足の記憶が鮮明に蘇ってきたみたいです。父が見た風景を繰り返さない為に、この映画がより皆様へ伝わる事を願っております」(佐次田満さん)

これに山田は「この映画は明るく前向きな映画だと言ってきたので泣きたくなかったのに、これはずるくないですか?」と大粒の涙。「絶対にこれがネットニュースに流れる。悲しい映画だと思われるような書き方は絶対にしないでください!生きるという事がテーマですから」と号泣しながらマスコミに注意喚起していた。

堤は「役者をやっていく上での救いを頂きました。僕は泣きません!」と笑わせつつ「山下一雄のモデルになったのは山口静雄さんですが、実は僕の死んだ父親と下の名前が漢字も含めて一緒。縁に感じたというか運命だと思いました。縁でいい映画に参加させてもらいました」と奇縁を口にしていた。

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