2016年の公開の際にはロングランを記録したこともあり、100回以上舞台挨拶を⾏ったという⽚渕監督。「すずさんを演じてくれたのんちゃんが隣にいる久々の舞台挨拶なので、もう⼀度新鮮な気持ちが戻ってきたようでもあり、あの⽇の延⻑を⽣きているような気もします」としみじみしていた。
戦後80年は、すずさんにとっても100歳の年にあたる。これに⽚渕監督は「すずさんは戦争が終わる年に20歳でした。そんな年齢だった⽅が100歳を迎えるという事は、戦争中に⼤⼈だった⼈の話を聞けるのもだいぶ少なくなっているという事。戦後80年ということで、あの⽇々が遠くへ去ってしまいそうだけれど、私としてはそういうことにならないよう、なんとか繋ぎ⽌めようと思って作った映画であり、戦時下の現実を描きたいと思って作った作品です。現代と地続きな感じを⾒つけて欲しいです」と語り、「そこで⽣きているすずさんの声をのんちゃんが演じてくれたことで、本当にそこにいる⼈、いつまでも皆が覚えていてくれる⼈としてすずさんが存在できている。それはとても意義のある事だと思います」と声優を務めたのんに感謝した。

リバイバル上映から初めて本作に触れる若い世代に向けて、のんはこう呼びかけた。「戦時下の出来事を直接体験した⽅にお話しを聞く機会が少なくなっている中で、本作を観てすずさんに思いを巡らせていくと、今⾃分が⽣きているこの場所でそんな⽣活があったんだと想像することが出来る。想像してみると、⾃分の⽣活の中にある幸せを感じる事が出来て、それを尊く思えるような、そんな作品になっていたら嬉しいです」