また第78ロカルノ国際映画祭(会期 8月6日~8月16日)のインターナショナル・コンペティション部門にクロージング作品として正式招待されることが決定。
長編第二作『火垂』(00)で第53回ロカルノ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞して以来、翌年、第54回(01)には『きゃからばあ』がコンペティション部門招待。第65回(12)では河瀨監督のパーソナル・ドキュメンタリー5作品(『塵』『垂乳女』『きゃからばあ』『かたつもり』『につつまれて』)をオマージュ上映、河瀨監督がプロデュースしたドキュメンタリー映画『祈‑Inori‑』が新鋭監督部門グランプリを受賞するなど、河瀨監督の才能、眼差しと共鳴し、その国際的評価の礎のひとつとなってきたロカルノの地で、現地時間8月15日にワールドプレミアが実現する。
<監督・脚本:河瀨直美 コメント>
この度、映画を本当に愛してやまないロカルノ国際映画祭の選考委員の皆様に
本年度のコンペ部門のクロージングフィルムに選んでいただきましたことを大変光栄に思います。
思い返せば、2000年公開の「火垂」がロカルノで受賞したことは
私にとってとても美しい忘れられない想い出です。
25年の月日を経て、またロカルノに戻って来れたことに感謝しています。
新作に寄せた
ロカルノ映画祭のアーティスティックディレクターの
Giona A.Nazzaro さんからのメッセージを以下に記します。
「水のように、音を立てずに深く掘り下げ
沈黙を恐れず、耳を傾ける映画を作ってくれてありがとう」
<ヴィッキー・クリープス コメント>
When I make a movie, I follow an invisible thread – one woven into the larger tapestry of dreams.
This particular thread led me deep into the ancient forests of Yakushima and back into the gentle
heart of childhood. I walked the delicate line between ghosts and reality, drawn by the mystery
of love.
映画を作るとき、私は目に見えない一本の糸をたどります――夢という大きな織物に織り込まれていく糸
です。
今回、糸は、私を屋久島の太古の森の奥深くへと導き、そして幼い頃のやさしい心へと連れ戻してくれま
した。
幽霊と現実のあいだの繊細な境界線を歩きながら、私は愛という謎に引き寄せられていきました。
<寛一郎 コメント>
諸行無常。
何かこの作品に込められたテーマのような気がしています。
この作品は自分にとって挑戦でした。
言語、さまざまな自然での撮影、新たな人との出会いで、沢山の学びと、この現場でしか体験できない経
験をさせてもらいました。
そんな作品がこうしてロカルノ国際映画祭に招待していただいた事を光栄に思います。
関わった沢山の人たちの努力が報われる気がします。
そしてこの作品が世界の人に見て頂けることに喜びを感じています。