「初号でこの作品を観させていただいて、いつもだったら客観的に観られないのですが今回はそういうのが全然なくて。ある意味自分と切り離せて観られて、“ひとりの人間ができてる”、と不思議な感覚でした。自分の家族のことを思い浮かべながら観れちゃいました。皆さんにもそれぞれに家族がおありだと思いますし、色々な形があると思うんですけれども、そういったところに思いを馳せながら、ご覧いただけるんじゃないかなと思います。」と、新たな発見があったことを明かす柴咲。

そんな作品をつくりあげた中野監督は「元々はオリジナルでやりたいタイプなのですが、原作本を読んでまあ面白くて。僕は、家族に残された人は、どう生きるかみたいなことを、ずっと描いてきて、この作品もそうなんですけど。なんか、悲しい話なんだけど、笑ってしまうんです。それって僕が一番目指してるところだ、と一致して。あ、これはやりたいな、と。そして、あの原作者の村井理子さんに、会いに行って話を聞くと、本に書いてない面白いエピソードがいっぱい出てくるんですね。そこで、村井さんが違うと思うものはつくりたくないし、芯のところは絶対に変えないっていうのを心をがけたと思います。」と制作秘話を明かす。

そんな脚本を読んだ柴咲は「その役をまとって、自分が動いている姿が想像できるかってところで、お引き受けするかというポイントにもなるんですが、今回は自然とできちゃったんですよね。すごく素敵な脚本だったなっていうのは覚えてます。」と絶賛。さらに演じてみて自身の中での価値観も大きく影響されたと明かし、「家族にも見てもらって、見てもらってから家族会議したいなと思います。」と話す。
満島も、「脚本を開いて、馬鹿みたいに泣いちゃって、感動して。柴咲さんもオダギリさんも、しっかり共演したことがなくて、自分が映画館に行って見ていた映画に出ていた2人なんですよね。なので、おふたりと共演できたっていうのは、結構私の中で大きくて。(完成した作品を観ても)、これまで観てた柴咲さんとも違うし、オダギリさんも私の映画史上に残る、かなりいい表情がありました。あとは、青山姫乃がすごいんですよ!初めての映画なのに肝が据わっていて、彼女を助けるつもりでやったお芝居を私ができなかったんですが、「いいよいいよ、自分がいいと思うまでやりな」って言ってもらえて。(笑)味元くんも本人がとっても大人っぽいんですが、映像に映っている姿がまだまだなんか赤ちゃんなんだなって思って、やっぱ中野さん、キャスティング上手だなと思いながら観ていました。(笑)」と脚本、そして共演者を絶賛。
