この度、本作の再上映を記念して、8⽉7⽇に公開記念トークショーを実施され、主⼈公すずの夫・北條周作の声を演じた細⾕佳正、⽚渕須直監督が登壇した。

2016年の劇場公開以来、改めて⼆⼈が並んで観客の前に⽴つのは初めてとなる。「まるで昨⽇のことのような感覚もありつつ、確かに時間が経ったことも実感する」――そう語る⼆⼈のやりとりからは、作品への深い愛情と、“すずと周作”が時を超えて⽣き続けているかのような思いが伝わってきた。
細⾕は冒頭、「広島の尾道出⾝なので、⼩学⽣の頃、平和学習で戦争映画を観た経験があった」と⾃⾝の原点に触れつつ、「この作品がそうした平和教育の⼀助になるような映画になればと願って演じてきました。それが9年経って、終戦80年の節⽬にまたこうして劇場で観ていただけるとは、当時思い描いていた未来が実現したようで嬉しいです」と笑顔を⾒せた。
これに⽚渕監督も応じ、「戦争の時代がどんどん遠くなっていく中で、何とかその記憶をつなぎとめたいという想いがこの作品には込められている」と語った。「呉や広島の町に当時どんな暮らしがあったのかを、できる限り忠実に描こうとした。こうして映画が9年経っても“現役”でいられるのは本当にありがたい」と、再上映への感慨を述べた。