終盤には、観客の笑いを誘う“もしも”の話も展開された。公開から9年――もし作中でもすずと周作が同じ年⽉をともに過ごしていたとしたら?という話題に触れた細⾕は、先⽇の舞台挨拶で、のんがすずさんになりきって語った⾔葉を引き合いに出しながら、「すずさんとは夫婦なので、⼦どもが16歳になって“物を⾔うようになった”っていうのは、当然本当ですね」と笑いを交えながら回答。

⽚渕監督は「たぶん周作はすずさんの尻に敷かれているんじゃないかな」と語り、会場は和やかな笑いに包まれた。

最後に、細⾕は「情報過多な今、新しいものがどんどん⽣まれていく中で、この映画は“消費されるもの”というより、“⼼に残る作品”という印象が強くて。そういうものに関われて本当に光栄だなと思っています。多くの⽅に劇場で観てほしい作品です」と⼒強く語った。

⽚渕監督も、「“そこに本当に⼈が⽣きている”と感じられるような世界をつくりたいと思って制作しました。呉や広島の街に⽴つすずさんや周作さんの息遣いや、ご飯の炊ける⾳、⾶⾏機の⾶ぶ⾳――そんな⽇常のすべてが重なり合って、ひとつの“世界”になっていく。それを、細⾕さんをはじめとする多くの⽅々の⼒によって実現できたと感じています。9年経ってもなお、映画館で観てほしい作品だと⼼から思っています。何⼗年先にもこの作品を観ていただけたら、それは僕らにとって何よりの喜びです。すずさんと周作さんも、きっとその世界の中で、これからもずっと仲良く暮らし続けているはずです。」と締めくくった。

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